3月20日(月)、晴れ。
いよいよ明日ですね。ラジオの中継があれば、仕事をしながら、聴こうと思っています。
中国漆と、日本産漆の違いについて、お尋ねをいただきました。
そうですね。見た目では違いは分からないと思いますね。
でも、化学分析すると成分に少しの違いがあるようで、天然ものだから産地によっても、若干でしょうが違いがあると考えています。
ところで、しっかり乾固した駒の漆文字を爪先で擦ってみると、僅かに違いがあるように思います。
どう違うかですが、日本産漆の方が、中国産に比べて、ツルッと滑るといいますか、滑りがいいように思います。
これは乾固した漆の表面が、日本産漆が堅いことの現れで、それは漆文字の耐久性にも関連していると思います。つまり、漆の文字のすり減り方が少ないということに通じると思うのです。
輪島あたりの蒔絵師の方に聞くと、「上等品は専ら日本産を使っている」とのことで、それは作品に対するコダワリであり、乾いた後は「日本産漆の方が堅い」と言いますし、間違いはないのでしょう。
では、中国産漆は、何時の頃から輸入されて使われていたのかですが、それは江戸時代に遡るようで、少なくとも100年以上前から、安くて結構な量が日本に輸入(需要の9割以上は中国産漆)されていて、現在と同じように一般的には中国漆が使われていたそうですから、駒にもそのように使われていたのでしょう。
でも、少しの差であっても、やはり良いものは日本産にこだわるという気持ちこそは大切ではないかと思います。