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熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。270ページ。ペンクラブ大賞受賞。
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目次

作品 文章 写真 販売品

聆涛閣集古帖(れいとうかくしゅうこちょう)

2021-02-06 22:07:59 | 文章

2月6日(土)、晴れ。

長さんから、江戸時代中後期の史料「聆涛閣集古帖(れいとうかくしゅうこちょう)」について、コメントをいただきました。
『聆涛閣集古帖』は、摂津国菟原郡住吉村呉田(現在の兵庫県神戸市の東部)の江戸時代の豪商・吉田家により編纂された古器物類聚の模写図譜です。吉田家は豊かな財力を背景に、江戸時代の後期(18世紀後半)から明治初年(19世紀後半)にかけて、三代・約100年間にわたって、当時の学者や貴族たちとの交流を通じ、多くの古文書や古物を収集して編輯した博物誌とのことで、内容は、さまざまな古い器物を分類して、全46帖に総計約2,400件を収録し、当時に遺る文献資料の精巧な模写・拓本、模刻などに簡単な注記・解説がなされている貴重な総合博物誌で、現在は国立歴史民俗博物館にて収蔵されているものです。

ここに「小将棋」や「魔訶大々将棋」を含む6種の将棋初期配置図が描かれており、その記述スタイルが水無瀬兼成の「象戯図(象戯纂図とも)」と、極めて類似した形で記述されているところから、底本はこれから採ったものと思われます。
ただし、表題は「魔訶大将棋」の名で記されており、これはどうしたことかと思うのですが、一つの推論として、引用時の誤り(脱字)である可能性を疑がわれます。

実は水無瀬兼成自身も、「象戯図」の文中で、「魔訶大々将棋」と書くべきところを、「魔訶大将棋」と誤って書いているくだりがあり、聆涛閣集古帖も同様の事故ではないかと考えています。いかがでしょうか。

 

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