万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌2043 秋風の1876

2016年03月16日 | 万葉短歌

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万葉短歌2043 秋風の1876

秋風の 清き夕に 天の川
舟漕ぎ渡る 月人壮士  

1876     万葉短歌2043 ShuE461 2016-0316-man2043

あきかぜの きよきゆふべに あまのがは
 ふねこぎわたる つきひとをとこ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第48首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第48首。
【訓注】清き夕に(きよきゆふべに=清夕)。天の川(あまのがは=天漢)。漕ぎ渡る(こぎわたる=滂度)。月人壮士(つきひとをとこ)。


万葉短歌2042 しばしばも1875

2016年03月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌2042 しばしばも1875

しばしばも 相見ぬ君を 天の川
舟出早せよ 夜の更けぬ間に  

1875     万葉短歌2042 ShuE461 2016-0315-man2042

しばしばも あひみぬきみを あまのがは
 ふなではやせよ よのふけぬまに
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第47首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第47首。
【訓注】しばしばも(数裳)。天の川(あまのがは=天漢)。舟出(ふなで)。夜の更けぬ間に(よのふけぬまに=夜不深間)。


万葉短歌2041 秋風の1874

2016年03月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌2041 秋風の1874

秋風の 吹きただよはす 白雲は
織女の 天つ領巾かも  

1874     万葉短歌2041 ShuE460 2016-0314-man2041

あきかぜの ふきただよはす しらくもは
 たなばたつめの あまつひれかも
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第46首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第46首。
【訓注】吹きただよはす(ふきただよはす=吹漂蕩)。織女(たなばたつめ)。天つ領巾(あまつひれ=天津領巾)。


万葉短歌2040 彦星と1873

2016年03月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌2040 彦星と1873

彦星と 織女と 今夜逢ふ
天の川門に 波立つなゆめ  

1873     万葉短歌2040 ShuE460 2016-0313-man2040

ひこほしと たなばたつめと こよひあふ
 あまのかはとに なみたつなゆめ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第45首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第45首。
【訓注】彦星と(ひこほしと=牽牛与)。織女と(たなばたつめと=織女)。今夜逢ふ(こよひあふ=今夜相)。天の川門(あまのかはと=天漢門)。波立なゆめ(なみたつなゆめ=波立勿謹)。


万葉短歌2039 恋しけく1872

2016年03月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌2039 恋しけく1872

恋しけく 日長きものを 逢ふべくある
宵だに君が 来まさずあるらむ  

1872     万葉短歌2039 ShuE460 2016-0312-man2039

こひしけく けながきものを あふべくある
 よひだにきみが きまさずあるらむ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第44首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第44首。
【訓注】恋しけく(こひしけく=恋家口)[01-0074寒久、17-3957(長)平久]。日長き(けながき=気長)。逢ふべく(あふべく=可合)。宵(よひ=夕)。


万葉短歌2038 逢はなくは1871

2016年03月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌2038 逢はなくは1871

逢はなくは 日長きものを 天の川
隔ててまたや 我が恋ひ居らむ  

1871     万葉短歌2038 ShuE456 2016-0311-man2038

あはなくは けながきものを あまのがは
 へだててまたや あがこひをらむ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第43首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第43首。
【訓注】逢はなくは(あはなくは=不合者)。日長き(けながき=気長)。天の川(あまのがは=天漢)。我が恋ひ(あがこひ=吾恋)。


万葉短歌2037 年の恋1870

2016年03月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌2037 年の恋1870

年の恋 今夜尽して 明日よりは
常のごとくや 我が恋ひ居らむ  

1870     万葉短歌2037 ShuE456 2016-0310-man2037

としのこひ こよひつくして あすよりは
 つねのごとくや あがこひをらむ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第42首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第42首。
【訓注】今夜(こよひ)。我が恋ひ(あがこひ=吾恋)。


万葉短歌2036 我が待ちし1869

2016年03月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌2036 我が待ちし1869

我が待ちし 秋は来りぬ 妹と我れと
何事あれぞ 紐解かずあらむ  

1869     万葉短歌2036 ShuE456 2016-0309-man2036

あがまちし あきはきたりぬ いもとあれと
 なにごとあれぞ ひもとかずあらむ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第41首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第41首。
【訓注】我が(あが=吾)。秋は来りぬ(あきはきたりぬ=秋者来沼)。我れと(あれと=吾)。


万葉短歌2035 年にありて1868

2016年03月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌2035 年にありて1868

年にありて 今かまくらむ ぬばたまの
夜霧隠れる 遠妻の手を  

1868     万葉短歌2035 ShuE456 2016-0308-man2035

としにありて いまかまくらむ ぬばたまの
 よぎりこもれる とほづまのてを
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第40首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第40首。
【訓注】まく(巻)。ぬばたま(烏玉)。遠妻の手(とほづまのて=遠妻手)。


万葉短歌2034 織女の1867

2016年03月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌2034 織女の1867

織女の 五百機立てて 織る布の
秋さり衣 誰か取り見む  

1867     万葉短歌2034 ShuE456 2016-0307-man2034

たなばたの いほはたたてて おるぬのの
 あきさりごろも たれかとりみむ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第39首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第39首。
【訓注】織女(たなばた=棚機)。五百機(いほはた)。


万葉短歌2033 天の川1866

2016年03月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌2033 天の川1866

天の川 安川原 定而
神競者 磨待無  

1866     万葉短歌2033 ShuE453 2016-0306-man2033

あまのがは やすのかはらは しづまりて
 こころきそへば とぎのまちなし
=柿本人麻呂歌之集出(1996~2033、38首の第38首)。脚注訓に、<一には「尽きねば さ夜ぞ明けにける」といふ>。[下記注].
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第38首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第38首。
【訓注】一年(ひととせ)。七日の夜(なぬかのよ=七夕)。逢ふ人(あふひと=相人)。夜は更けゆく(よはふけゆく=夜深徃久)。
【編者注-訓諸説】この歌にはいまだ定訓がない。依拠本の諸訓は、底本・考・全注釈・評釈・私注・注釈・森1992栞抄1・栞抄2。上の仮訓は栞抄1による。


万葉短歌2032 一年に1865

2016年03月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌2032 一年に1865

一年に 七日の夜のみ 逢ふ人の
恋も過ぎねば 夜は更けゆくも  

1865     万葉短歌2032 ShuE450 2016-0305-man2032

ひととせに なぬかのよのみ あふひとの
 こひもすぎねば よはふけゆくも
=柿本人麻呂歌之集出(1996~2033、38首の第37首)。脚注訓に、<一には「尽きねば さ夜ぞ明けにける」といふ>。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第37首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第37首。
【訓注】一年(ひととせ)。七日の夜(なぬかのよ=七夕)。逢ふ人(あふひと=相人)。夜は更けゆく(よはふけゆく=夜深徃久)。


万葉短歌2031 よしゑやし1864

2016年03月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌2031 よしゑやし1864

よしゑやし 直ならずとも ぬえ鳥の
うら泣き居りと 告げむ子もがも  

1864     万葉短歌2031 ShuE450 2016-0304-man2031

よしゑやし ただならずとも ぬえ鳥の
 うらなきをりと つげむこもがむ
=柿本人麻呂歌之集出(1996~2033、38首の第36首)。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第36首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第36首。
【訓注】よしゑやし(吉哉)[下記注]。ぬえ鳥の(ぬえどりの=奴延鳥)。うら泣き(うらなき=浦嘆)。
【編者注-よしゑやし】原文は、02-0131(2か所)能咲八師、縦畫屋師、02-0138(2か所)吉咲八師、縦恵夜思、10-2301忍咲八師、11-2659縦咲八師、-2800縦恵也思、12-2873縦咲也思、-3191不欲恵八師、13-3225(2か所)吉咲八師、吉畫矢寺、-3298縦恵八師、-3317縦恵八子、15-3662与之恵也之、17-3978与思恵夜之。


万葉短歌2030 秋されば1863

2016年03月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌2030 秋されば1863

秋されば 川霧立てる 天の川
川に向き居て 恋ふる夜ぞ多き  

1863     万葉短歌2030 ShuE450 2016-0303-man2030

あきされば かはぎりたてる あまのがは
 かはにむきゐて こふるよぞおほき
=柿本人麻呂歌之集出(1996~2033、38首の第35首)。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第35首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第35首。
【訓注】川霧(かはぎり=河霧)。天の川(あまのがは=天漢)。恋ふる夜ぞ多き(こふるよぞおほき=恋夜多)。


万葉短歌2029 天の川1862

2016年03月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌2029 天の川1862

天の川 楫の音聞こゆ  彦星と
織女と 今夜逢ふらしも  

1862     万葉短歌2029 ShuE446 2016-0302-man2029

あまのがは かぢのおときこゆ ひこほしと
 たなばたつめと こよひあふらしも
=柿本人麻呂歌之集出(1996~2033、38首の第34首)。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第34首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第34首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。楫(かぢ=梶)。彦星(ひこほし=孫星)。織女と(たなばたつめと=織女)。今夜(こよひ=今夕)。