2012-1120-man0786
万葉短歌0786 春の雨は0720
春の雨は いやしき降るに 梅の花
いまだ咲かなく いと若みかも 大伴家持
0720 万葉短歌0786 ShuB694 2012-1120-man0786
□はるのあめは いやしきふるに うめのはな
いまださかなく いとわかみかも
○大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】題詞は、大伴宿祢家持が藤原朝臣久須麻呂に報(こた)へ贈る歌三首。その第一首。
【訓注】いやしき(弥)。降る(ふる=布落)。梅の花(うめのはな=梅花)。いと(伊等)。若み(わかみ=若美)。
【藤原朝臣久須麻呂(ふぢはらの あそみ くすまろ)】「奈良朝中期に権勢を揮った藤原仲麻呂(恵美押勝)の子。天平宝字二年(758)従五位下。美濃、大和などの国首を歴任し、天平宝字六年十二月参議にまで上った。しかし、同八年九月、父の謀反に連座して殺された。」