2020-1216-man3810
万葉短歌3810 味飯を3546
味飯を 水に醸みなし 我が待ちし
かひはかつてなし 直にしあらねば ○
3546 万葉短歌3810 ShuH420 2020-1216-man3810
□うまいひを みづにかみなし あがまちし
かひはかつてなし ただにしあらねば
○=作者未詳、娘子(をとめ)。
【編者注】第1部(3786-3815、三十首)の第25首。女。左注に、夫(つま)を<おそらくは国司として>送り出した娘子、数年後他妻(あたしめ)を連れて帰任した、しかも正身(ただみ=本人)は来ないで裏物(つつみもの=土産)だけ寄越したのを恨んで、と。
【訓注】味飯(うまいひ)[「おいしいご飯。ここは蒸したご飯・・・」。01-0017(長歌)味酒(うまさけ)、02-0162(長歌)味凝(うまこり)、13-3329(長歌)味寐者不宿尓(うまいはねずに)、など]。水に醸みなし(みづにかみなし=水尓醸成)[「醸造して液状にすること」]。我が待ちし(あがまちし=吾待之)。かひはかつてなし(代者曽無)[=甲斐無し]。直にしあらねば(ただにしあらねば=直尓之不有者)[17-3978(長歌)、-3980多太尓安良祢婆(ただにあらねば)]。