さわやか通信

心地よい風とさわやかな空気 すてきな花を探して旅にでよう

尼寺の地蔵さま

2011-02-24 10:25:31 | 旅行
 JR青梅線に軍畑という小さな駅がある。

この駅で下車して歩くことおよそ20分、中道院という小さな尼寺に到着。

この尼寺にはこんな民話が語り継がれている。

 昔この地では桜の花が咲く季節になると、このお寺の境内で五穀豊穣を願う祭りが賑やかに執り行われていた。

ある年のこと、祭りの準備をしていた村の男衆が、境内にある桜の木の下に祀られている
一体の地蔵さまを、祭りの邪魔になるということで、境内の端にある池のほとりに移すことにした。

二人の若者がこの地蔵さまを抱えたところ、あまりの重さに一歩も歩けなく往生していた。するとそこへ、力自慢の一人の若者が、「なんだこのくらいの地蔵さま、わし一人で運べるわい」というがはやいが軽々と担いで池のほとりに持って行った。

やがて祭りの準備も整い、男衆は家に帰っていった。だがその晩のこと、地蔵さまを担いだ力自慢の男は突然原因不明の高熱におそわれ、額は燃える火のように熱く、家族が濡れ手ぬぐいを当て寝ずに看病した。

翌日呼ばれた医者さまにもどうすることも出来ず、途方に暮れていた。

何日かして、力自慢のこの若者の夢枕にあの地蔵さまが姿を現し、「私はこの池の端では桜の花も祭りもよく見えません。どうぞまた桜の木の下に戻してください。お願いします。」とおしゃったそうな。

この話しを聞いた男衆が早速地蔵さまをもとの桜の木の下に戻したところ、力自慢の若者の病は不思議なことにすっかり治ったそうな。

それ以後地蔵さまは祭りの時はむろん、今でも桜の木の下で村人たちを見守っていてくださるということじゃ。

 このお話は、奥多摩民話の会の代表荒澤弘さんから伺ったものです。

東京の奥座敷と呼ばれる奥多摩にもたくさんの昔話があるのですね。

マンホールの蓋

2011-02-22 13:30:30 | ひとこと
 数日前に青梅線に乗って日向和田駅で下車し吉野梅郷のあたりを散策した。

梅の花は早咲きの紅梅以外はまだまだ蕾は固く、見ごろを迎えるまではあと半月位かかりそうだ。でも梅の花以外には、蝋梅や福寿草の花は今が見ごろだった。

気の向くままぶらぶら歩いていて道路に目を向けると、マンホールの蓋が目に入った。

たかがマンホールの蓋といってもこれがなかなか面白い。蓋をよく見ると土地を代表するシンボルが模様になっている。

訪ねた吉野はやはり梅にうぐいすがあしらわれていた。

最近は鉄以外の素材で出来ている蓋もあるが、この蓋は鋳鉄製だった。おそらく下水道の
蓋のようだ。

因みに橋の欄干にもその土地のシンボルが付けられていて、これも結構楽しめる。

これらのマニマ向けに本も出版されているそうだ。いつか図書館でみつけてみよう。

春の雪

2011-02-18 13:41:09 | ひとこと
 テレビで気象予報士さんが「立春以後に降る雪は季節が徐々に春に近づいている証拠」と言っていたが、関東地方の太平洋側にも月曜日から翌朝にかけておもわぬ雪を降らせた。

都心では1~2センチの積雪でも、我が家のある多摩地方ではおよそ10センチ位積ったであろうか?

雪が降った日からすでに4日たってもまだ道の片隅には雪が融けずに残っている。

数年前までは、雪が降るとご近所が総出で早朝から雪かきをしたものだったが、今や雪かきをしている家はまばらになってしまった。

そういえば小学校に登校する児童も近所にはだれもいないし、我が家の周りはみな高齢化が進み、お年寄りの方ばかり。

都会の人は車も人も雪に慣れてなく、転倒によるけが人も多数いたそうだし、雪かきもおもわぬ事故になりかねない。

今更ながら日本海側や豪雪地帯に住む方々のご苦労がいかばかりなのか気になる。

新刊紹介『クロティの秘密の日記』

2011-02-17 13:42:15 | 児童書
 久しぶりで新刊紹介をします。
 本書は奴隷制をめぐって南北戦争が始まる以前の今から150年ほど前、北アメリカ南部のヴァージニア州の広大な農園で奴隷の子として生まれ育った12歳の少女クロティの物語。

当時奴隷は所有者の財産であり、所有者は奴隷の自由を一切認めず、日の出から日の入りまで牛馬のごとく苛酷な労働にあけくれていた。

また奴隷所有者は自分達の財産を守るためにさまざまな法律を作り、その一つに奴隷は読み書きを習うことも、奴隷に読み書きを教えることも、川で泳ぐことも禁じられていた。

しかし賢くて好奇心旺盛なクロティは、農園主の一人息子ウイリアムぼっちゃまが勉強中に、立ったまま団扇で風を送ることを命じられていた時、ぼっちゃまの本を後ろから盗み見たり、家庭教師のハームズ先生の言葉から少しづつ読み書きを覚えていった。

やがてクロティは仲間の奴隷やお屋敷の人達の目をかいくぐり、やっと手にいれたぼろぼろの紙に一年間にわたって日記を書き続けた。
そしてクロティは自由という文字は書けるようになったが、でも自由ということはなんのことなの?
月日が経ちクロティは・・・

・ 書名  『クロティの秘密の日記』

・ 作者  パトリシア・C・マキサック

・ 訳者  宮木陽子

・ 出版社  くもん出版  2010年11月初版 \1500+税
 
・ グレード 小学校高学年~

 南北戦争の中1863年に当時の大統領リンカンによって奴隷解放を宣言しますが、すべての奴隷が自由を手にするのは南軍が敗北し、南北戦争が終わったあとで、人種差別的な法律がなくなったのは、なんと1964年のキング牧師らの「公民権運動」がきっかけとなっています。大人の方々にも是非手にとってほしい一冊です。

金子みすゞ展

2011-02-12 10:16:56 | ひとこと
 「わたしと小鳥とすずと」「大漁」など、今テレビのコマーシャルや小学校の教科書でよく目にするようになった大正末期から昭和初期かけて、優れた詩を発表し活躍した金子みすゞ。

この金子みすゞがおさない一人娘を母に託して、たった26歳という若さで自ら命をたってから今年で没後80年。

そこで今日本橋三越本店で没後80年 金子みすゞ展ーみんなちがって、みんないいーが開催されているので行ってきた。

本展は新たに遠縁から発見されたみすゞの少女時代の写真や遺稿、兄妹間で交わされた書簡等、貴重な資料が展示され、みすゞの生涯を紹介している。

またみすゞを愛する沢山の著名人が、みすゞの詩についてのメッセージを展示しているのも興味深い。お勧めです。

・会期  開催中~14日(月)
・場所  日本橋三越本店新館7階ギャラリー
・料金  一般800円

立春

2011-02-05 20:26:22 | ひとこと
二月三日は節分、我が家では夫が大声を出して恒例の豆まきをする。今年も隣近所の方が
窓を開けて見ているが本人は意に介さず堂々としたものだ。私はちょっぴり恥ずかしいが。
そして四日は立春で暦の上では春。

今年は例年になく寒い冬だったが、二月に入ると同時に気温が上がり暖かい日が続いている。

、先日知人からご自宅の庭で種を蒔いて育てたサクラソウの鉢植えを頂いた。

このサクラソウを見ていると、本当に春がきたようだが・・また寒さがぶり返すのだろうか?