さわやか通信

心地よい風とさわやかな空気 すてきな花を探して旅にでよう

新刊紹介『かわうそ3きょうだい』

2010-01-19 15:36:37 | 児童書
 あき 月のきれいな夜 川のほとりに ニュニュー ポコッ ペコッとあらわれたのは
かわうその3兄弟。

今大人気の北海道旭山動物園で、かつて飼育係をされていた絵本作家の「あべ弘士」さんが
いちばん好きな動物である「かわうそ」を描いた絵本。

・ 書名 「かわうそ3きょうだい」

・ 著者  あべ弘士 作 絵

・ 出版社 小峰書店 2009年11月初版 ¥1400+税

・ グレード 幼児~低学年

この作品は、川の中を楽しく自由に泳いで魚を捕まえるまでのかわうその3兄弟の様子を、
どのページもすべて物音や声の感じを言語音でまねた擬声語のみで描かれているユニークな
絵本。

この絵本を開くと、擬声語のもつ温かな表現が読者を癒してくれる。ぜひ親子で音の響きを楽しんでみては如何でしょうか。


フィンランドの教育と子どもたちのくらし

2010-01-13 16:01:36 | ひとこと
 先日「日野・子どもの本と出会いの会」と「学校図書館をもっとよくする会」の共催で、「フィンランドの教育と子どもたちのくらし」という演題で講演会を開催した。
講師は今やフィンランド教育研究の第一人者である都留文科大教授であり、副学長を務める福田誠治氏。

講演を伺っていてとくに印象深いのは、今や学力世界一といわれるフィンランドのこの国では、1985年からテストによる到達度をはかるやりかたを全面的に廃止したこと。

テストも通知表もないこの国は、競争ではなく共同という考え方を尊重し、子どもが自ら学ぶという考え方が徹底していること。

1985年当時の国家教育委員会の教育大臣は若干27歳だったが、この大臣は教育に関するあらゆる条件整備を整え、国民から80%の支持を受けていたそうだ。


無論教育費は鉛筆一本から教材費、学費も幼稚園から大学院にいたるまで原則すべ
無償。

特に印象深かったのは、成人した時にしっかり自立できるように子どもを教育することのほうが、国益になると試算して、国民の同意を得たという点だ。

まさしく発想の転換というべきだが、これも一つの参考としつつ、日本の教育もそれなりに素晴らしい点も沢山あるとおもった講演会だった。

栄枯盛衰

2010-01-06 16:45:52 | ひとこと
 一人暮らしをしている母が、昨年の秋ごろから急に体調を崩し最近ではかなり
病状が悪化してきた。

そこで昨年の秋から度々母の元に様子を見に通っているのだが、母の住まいの最寄り駅周辺があまりにも寂れてしまったのには驚いている。

以前は買い物客で賑わっていた商店街は、今はまさしくシャッター通りと化してしまったのだ。

電気屋さん、花屋さん、パン屋さん、肉屋さん等・・どこもシャッターが閉まっていて廃業している。

原因はこの不景気に加え、北口に大型店が出店したためだと思えるが。

母のような高齢者や障害を抱えている方や車を持たない人、つまり弱い立場の人はどう生活していけばいいのだろうか?

日常の買い物にも不便なこんな世の中、むしょうに腹だたしい思いがする。

なんでも数年前からここは市の再開発計画予定地になっているそうだが、いつ実現するか目途すらたっていないらしい。

母が元気になったころには、せめて買い物を楽しめるような活気ある商店街に戻って欲しいと願っているのだが・・・

新刊紹介『マルベリーボーイズ』

2010-01-02 11:00:16 | 児童書
明けましておめでとうございます。

今年最初の新刊紹介は、年の初めには少々相応しくないかもしれませんが、
前向きに生きる少年が主人公の本を紹介したいと思います。

19世紀末、イタリアのナポリで父のいない9歳のユダヤ人少年ドムは大勢の家族と貧しいながらも精いっぱい暮らしていた。

ある日、少年の母は意を決してドムに新しい靴を買い、ドムの持っているなかで一番上等の服を着せて早朝の港からアメリカ行きの貨物船に潜り込ませた。

こうして一カ月後、たった一人密航者としてアメリカの地におりたったドムを待ち受けていた運命は・・・

・書名  『マルベリーボーイズ』

・著者  ドナ・ジョー・ナポリ

・訳者  相山夏奏

・出版社 偕成社   2009年11月初版 1600+税

・グレード 高学年~中学生

ドムがたどり着いたのは、イタリア移民が大勢暮らすマルベリーストリート。
ニューヨーク最大のスラム街で、ドムは知恵と勇気で未来をきりひらき、、母が最後にドムに言って聞かせた「生き延びるのよ」の言葉どうりにたくましく
生きていく。

本書は、19世紀末に希望を抱いてアメリカに新天地を求めて世界各地から
移民してくる人々や、当時のアメリカの様子がよく描かれていて大人でも
十分に読み応えのある一冊です。