さわやか通信

心地よい風とさわやかな空気 すてきな花を探して旅にでよう

新刊紹介『古くて新しい椅子』

2014-07-29 16:28:27 | 児童書
 イタリアのフィレンツェに住んでいる10歳のマルコはこのところ急に背が伸びてきたので、
今まで使っていた机は窮屈になってきた。マルコのお父さんは、「おまえにもそろそろ大きな
机が必要だな」と言った。マルコは、お父さんが新しい机を買ってくれると思って大喜び。
ところがお父さんはマルコを物置小屋に連れて行き、そこでお父さんが探し出したのは、ほこり
だらけのガタガタの机と椅子だった。なんとその机は、マルコのひいじいさんの頃から家にあった
ものだった。
でもこのおんぼろの机と椅子は、やがて家具修理の職人さんの手により、新品同様のピカピカの
机と椅子に生まれ変わったのだ。

・ 書名  『古くて新しい椅子』イタリアの家具しゅうりの話

・ 中嶋浩郎/文  パオラ・ボルドリーニ/絵

・ 出版社  福音館書店 たくさんのふしぎ傑作集  2014年4月初版 \1,300∔税

・ グレード 小学校中学年~  


 本書には、机や家具等を専門に修理する職人の仕事の様子や手順、修理に使う道具の数々が
とても丁寧に描かれている。物はいつまでも大事に使うというフィレンツェの人たちの考え方や
生活の仕方には 私たちが忘れてしまったことを思い起こさせてくれた。

 本書を読んで、私もフィレンツェに行って見たくなった。

新刊紹介『石を抱くエイリアン』

2014-07-26 09:02:28 | 児童書
 北関東のありふれた地方都市に住むありふれた町のありふれた中学校に通うありふれた女子中学生。
彼女の名前は八乙女市子。今は平成の時代なのに、名前はまるで昭和初期のように古めかしい。
ニックネームは姉さん。

この物語の中学生たちは、1995年にこの世に生を受け、2011年の春に中学校を卒業する。作者はこの
中学生たちが体験した衝撃的な事柄を読者に伝えたかったのかもしれない。その衝撃的なこととは・・・

・ 書名  『石を抱くエイリアン』

・ 作者  濱野京子

・ 出版社 偕成社  2014年3月初版  \1300∔税

・グレード 中学生~

 私は初めて耳にするような今どきの中学生の会話や、興味や関心ごとにやや戸惑いながらも読み進めて
いたが、彼女たちが秋の文化祭で、原発に関する研究発表をすることになったことに驚いた。しかもその
研究までの過程が凄い。

この中学生たちが生まれた1995年は1月に阪神淡路大震災が発生し、その年の3月には地下鉄サリン事件が
発生した。そして卒業する2011年3月には東日本大震災が発生し多くの犠牲者がでて、そのなかには市子の
級友もいた。

 作者が膨大な参考文献をひもどきながら書かれたこの一冊を、是非大人の方々にも読んでいただきたい
お勧めの一冊です。









ヤマユリ

2014-07-18 13:29:02 | 花&植物
 この季節になると近くの公園の雑木林にヤマユリが咲く。
今年はここ数年で一番多く咲いているようだ。

この百合は半日蔭を好んで咲くそうだが、この春に公園緑地課の方により
かなり雑木林の下草等が刈られたのが良かったのかもしれない。

この花は花弁の中央に黄色の条線があり、開いた花の大きさも20センチ位ありそう。
花に近づくと香りも強い。

近所の方々も朝の散歩コースにこの公園のヤマユリを楽しんでおられるようだ。


新刊紹介『よくばりなカササギ』

2014-07-11 09:26:24 | 児童書
 ある時、一匹のカササギがねずみくんからとてもきれいなビー玉を一つもらいました。カササギは大喜びで
ビー玉をくちばしにくわえて巣まで飛んでいきました。さあ~それからというものカササギは「もっとほしいな」
「あれもほしいな」となんでもかんでもどんどん集めはじめました。
みるみるうちに巣は集めたもので一杯になり、いまにも巣のある木の枝が折れそうです。・・

・ 書名  『よくばりなカササギ』

・ I・C・スプリングマン文  ブライアン・リーズ絵 どいあきふみ訳

・ 出版社  徳間書店  2014年2月初版  2,600円∔税

・グレード  幼児~小学校低学年


 本書の文を書いたスプリングマンはシンプルな暮らしを好み、反対に絵を描いたブライアンはガレージと地下室、
アトリエにふえつづけるガラクタと格闘中とのこと。モノが溢れている時代に、ほんとうに大切なものとはなにか?
を問いかける一冊。絵がとても素晴らしく、読みきかせにぴったり。