さわやか通信

心地よい風とさわやかな空気 すてきな花を探して旅にでよう

本の紹介「子っこヤギのむこうに」

2007-03-09 17:04:28 | 児童書
子どもたちはまもなく春休みですね。でも今日紹介する
本は、冬休みに母さんと札幌に住むおばあちゃんを訪ねた
マユちゃん(主人公)が、一ぴきの子っこヤギの命をとおして
生きもののあり方、命の尊さを知るお話です。

東京から、母さんとおばあちゃんの住む札幌に遊びにきていた
マユは、母さんの友だちから、マユに「すごいプレゼントを
あげるから、今すぐに迎えにいくよ」と電話があった。
吹雪のなか車で迎えにきたユミコさんは、マユに、おととい
生まれたばかりの子っこヤギを見せてくれると言う。もちろん
だっこもさせてくれると言う。今まで動物園にいるヤギしか
見たことのないマユは、うれしさで胸がいっぱいになった。

やっと知り合いの農家に着き、子っこヤギのいる小屋に近づいた
時、マユたちが目にしたのは、白い雪に赤い血が飛び散り、
手足をぴーんとのばして、すでに死んでいる子っこヤギの
死体だった。木の上にはカラスが鳴き騒ぎ・・・

「冬のあいだ、食うものがなくて死んでしまう生き物はけっこう
いる。カラスもスズメも、キツネも。ネズミもイタチもみんな
はらをすかせている。子っこヤギの体に、どれほどたすけられる
ことか」ー本文より

私たち人間の命をはじめとして、生き物の命が粗末に扱われ
ている今、子どもたちに是非読ませたい一冊です。