A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

「そっくりさん」も、ここまでくれば「クローン」かも・・・・

2007-09-09 | CONCORD
JUGGERNAUT / FRANKIE CAPP & NAT PIERCE ORCHESTRA

「ベイシーライク」という言い方がある。
言わずと知れたカウントベイシーに似ているということだ。
昔は学生のビッグバンドに入ると規定課題のようにカウントベイシーの曲から始めたものだ。今も、きっと何曲はそうであろう。
カウントベイシーのスタイル、そしてあのノリはなかなか簡単そうでできないものだ。時代の変遷と共に、様々なアレンジャーが色々な曲を提供するがそのバンドカラーは変わらない。したがって、ベイシーのオーケストラは聴いただけでも大体想像はつく。反対に不思議とベイシーライク演奏というものは確かに似ているが「何かが違う」というのが常だ。
なかなか埋まらない溝の一つが、フレディーグリーンのギター、そしてベイシーのピアノが作り出すリズムセクションかもしれない。人が代わっても、確実なベースと歯切れのよいドラムも代々引き継がれている。オールアメリカンリズムセクションと言われたものだ。

CONCORDに、ベイシーライクなBIGBANDが登場した。1976年のことだ。
それまで、ビルベリー、ルイベルソンのオーケストラが登場したので、これが3つ目のオーケストラになる。
リーダーはナットピアスとフランキーキャップ。
ナットピアスはカンサスシティージャズの伝統を引き継ぎ、ベイシーオーケストラでも御大に代わって代役を務めたことがあるので役回りはぴたり。一方のフランキーキャップはスタジオ中心であまり有名ではないが、確実なドラミングをする。
他に集まったメンバーは、CONCORDにすでに登場しているメンバーが多い。テーナーの2人はリッチーカムカにプラスジョンソン。スタイルの違う2人が並ぶ。自分のバンドを率いていたビルべリー、新進気鋭のボビーシューも参加。
そして、中でもアルトのマーシャルロイヤルの参加が大きい。これで、ベイシーライクを超えて完全にベイシーの「そっくりバンド」に仕上がった。

このバンドが、ライブ演奏を繰り広げるこのアルバム。悪いわけがない。
一曲目のAvenue "C"。ピアノのイントロから始まるプレーは、これぞベイシーといってもすぐ信じてしまうだろう。
このアルバムのもうひとつの魅力が、ブルース歌手、Ernie Andrews。
B面の「A列車」で意表を突いて登場する。いわゆるじっくり歌い込むというよりアップテンポのシャウティングブルースは、よくスイングするベイシースタイルとぴったり合う。
「こんなベイシーサウンドが身近で聴ける」。
これだけで、このバンドが西海岸で長続きしたのも頷ける。
この後も、CONCORDには彼らの演奏が何枚か登場する。
これも、なかなかいける。

1. Avenue "C"
2. All Heart
3. Moten Swing
4. Basie
5. Dickie's Dream
6. Take The "A" Train
7. Wee Baby Blues
8. Roll 'EM Pete

Bill Berry, Gary Grant,Blue Mitchell, Bobby Shew (tp)
Buster Cooper, Alan Kaplan, Britt Woodman (tb)
Marshal Royal ,Bill Green (as)
Plas Johnson, Richie Kamuca (ts)
Quinn Davis (bs)
Nat Pierce (p)
Chuck Berghofer(b)
Al Hendrickson(g)
Frankie Capp(ds)
Ernie Andrews(vol)

Recorded live at “King Arthur’s” in the San Fernand Valley , Los Angels, 1976

Concord CJ-40
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何がきっかけで生き方がかわるか・・・・?それが人生なのだろう

2007-09-08 | MY FAVORITE ALBUM
THE OTHER SIDE OF ABBEY ROAD / GEORGE BENSON

先週は仕事が忙しかった上に台風の中出張に行ったら戻れず。散々な一週間であった。
このような時でも、最近はipodがあるので、耳が寂しいということはないのだが。ipodでの聴き方はもっぱらシャッフル。1000曲以上にもなると次は果たして何がでてくるかという楽しみはあるがアルバムを一枚じっくりという聴き方はできない。
最近はネットの時代では、何でも一端だけを触って分かった気になる。本当は一枚のアルバムを聴くとそれなりの意図や意味が見えてくるのだが。
だんだんやらなくなってくると、明らかに思考回路が変ってくる。
いいことなのか、悪いことなのか・・・?

久々にゆっくり起きてのんびり過ごした午後のひと時。
気楽な気分ということで、最初にかけたのはジョージベンソン。それも古めのA&M時代のアルバム。
クリードテイラーというのは実に想像力の働くプロデューサーだと思う。
ミュージシャンの今ある才能だけでなく、新たな才能を常に新たな音づくりと共に発掘してきた。それも、長年にわたりいくつのレーベルを渡り歩きながら。
ウェスモンゴメリーのア・デイ・インザライフが大きなターニングポイントになってスタートしたA&MのCTIシリーズ。レーベルのカラーが確立し始めた時にウェスが急逝する。
その後釜に座ったのがジョージベンソンだ。
この頃はまだまだギターが主。でも、このアルバムでは得意の歌を披露している。そしてその後の活躍ふりは周知の事実。
もし、ウェスが死ななかったら、そして、クリードテイラーから白羽の矢が当たらなかったら。そして、歌のアルバムを作らなかったら・・・・・・・。
この一週間自分の仕事の周りでも大きな変化があったが、人の人生は何が契機で変わるか分らない。

このアルバムはビートルズのソングブック。

世の中にソングブックは数多あるが、ビートルズのそれはかなり多いだろう。それだけに、より特徴作りに凝ることになる。ここでは、何曲かをまとめてメドレーにしたのも新鮮味があるし、何といってもドンセベスキーのアレンジが秀逸だ。ビートルズの曲の素材はなぜかクラシック調が合うことが多い。セベスキーとしても、プロデューサー、ミュージシャン、そして曲にも恵まれた腕の見せ所だったのだろう。
もちろんベンソンも悪くないが、ビッグバンド好きの自分にとっては、バックの演奏も気になる演奏だ。クリードテイラーのプロデュースには、色々楽しませてくれる作品が多い。
そしてよく言われることだが、古さを感じさせない時代を超えた魅力がある。

1. Golden Slumbers/You Never Give Me Your Money
2. Because/Come Together
3. Oh! Darling
4. Here Comes The Sun/I Want You (She's So Heavy)
5. Something/Octopus's Garden/The End

George Benson (g, vocal)
Herbie Hancock (p,org)
Ron Carter (b)
Gerry Jemmott (b)
Ray Barretto (per)
Andy Gonzalez (per)
Don Ashworth (bs)
Sonny Fortune (as)
Jerome Richardson (ts)
 Etc,

Produced by Creed Taylor
Arranged by Don Sebesky
Recorded at Van Gelder Studios
Engineer Rudy Van Gelder
Recorded October 22, 23; November 4, 5, 1969

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ひょんなことで、出勤前にマクレーのアルバムを一枚聴くことに・・・

2007-09-05 | MY FAVORITE ALBUM
BY SPECIAL REQUEST / CARMEN MCRAE

最近仕事が立て込んで連日午前様が続く。
色々な案件が絡み合って、難解なパズルを解いているのか、解のない方程式を解かされいるのか分からない状態。頭の中が常にフル回転中。いつまで続くやら。
こんな時こそ気分転換にジャズでもじっくり聴きたいが、時間もないし頭の中の思考回路も停止中で聴いてもうわの空。なかなかコメントを書くのもしんどい。
昨晩も遅くに帰ってからPCを立ち上げたが、書くことはもちろんあまりあちこちを巡回するのもおっくうな状況であった。
そんな中で、目に留まったのがDUKEさんのブログ。
“MY ONE AND ONLY LOVE”の記事が書かれていた。
皆さんのコメントを読むうちに、好きな曲なので、自分の愛聴盤をと思ったがなかなか思い出せない。
自分のブログを検索してみたら、3枚がヒット。どれもが、なるほど確かにお気に入りだと再認識。
他のアルバムと思いを巡らせ、思い出したのがカーメンマクレーと最近買ったCHRIS BOTTIのDVD。
そこで、とりあえずコメントを書いたという次第。

中身を聴き返す暇も無く昨晩はダウン。今朝、たまらずマクレーを聴いてから出勤。
久々に聴いたが、やはりいいアルバムだ。金属的な声も晩年は姉御のど迫力があるが、この頃はまだ若々しさがある。といっても30歳は過ぎている。20代の頃は、可愛い声をだしていたのかなどと、つまらないことが気になる。
頭が働かないときはライナーノーツを拾い読みして書くしかないが新たな発見が。
マクレーは前年の1954年のダウンビートの新人女性歌手。この前にも数枚アルバムがあるが、これが本格的売り出し中の実質的なデビューアルバムのようなもの。
曲も”By Special Request”のタイトルどおり、スタンダードばかり。名盤になる条件は揃っている。

2つのセッションに分かれているが、片方はアコーディオンとハービーマンのフルートの組み合わせ。あまりない組み合わせだが、なかなか息が合って良い感じて溶け合っている。
この2つの楽器結構絶妙な組み合わせかもしれない。
どちらのセッションにも、浮気ですったもんだしてじきに離婚するケニークラークが伴奏に加わっているが・・・「こんな組み合わせのセッションというのはどんな気分なのだろうか」とまたまた妙なところが気になってくる。

そしてライナーノーツから、また新たな史実を知る。
チャーリーパーカーが心臓発作で倒れたこの年の3月12日。この日、マクレーはカーネギーホールの舞台で、このアルバムにも収められているパーカーの曲Yardbird Suiteを歌っていたそうだ。 パーカーを始めてとして、BOPミュージシャンに混じって過ごしたマクレーの青春時代。何か2人には結びつくものがあったのかもしれない。
この経験が息の長いジャズ歌手そしてピアニストとしての一生を支えたのであろう。

1. Just One Of Those Things
2. Sometimes I'm Happy
3. Something To Live For
4. Love Is Here To Stay
5. I Can't get Started With You
6. This Will Make You Laugh
7. Suppertime
8. My One And Only Love*
9. Yardbird Suite*
10. Give Me The Simple Life*
11. I'll Remember April*
12. You Took Advantage Of Me*

Carmen McRae (vol)

acc. by Dick Katz(p)
Mundell Lowe(g-2)
Wendell Marshall(b)
Kenny Clarke(d),
Carmen McRae(p-2)
Billy Strayhorn(p-1)

Recorded in New York, June 14, 1955

(*)
acc. by Matt Mathews(accordion)
Herbie Man(fl)
Mundell Lowe(g)
Wendell Marshall(b)
Kenny Clarke(d)

Recorded in New York, June 16, 1955
コメント (2)
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遠来の客を迎えたつもりが、どっちが主役・・・・・?

2007-09-02 | MY FAVORITE ALBUM
THE ARRIVAL OF VICTOR FELDMAN

アンドレプレビンのヴァイブの余興をめいたものを聴いたら、やはり本格的な両刀使いのものを。先日紹介したピアニストVICTOR FELDMANのヴァイブは本物だ。
アメリカ生まれのジャズマンがヨーロッパに渡ったが、もちろん反対に海外のジャズプレーヤーが本場アメリカのジャズにあこがれ、またそこでジャズを学びに数多くわたっている。日本からの秋吉敏子や渡辺貞夫に始まり多くのミュージシャンがアメリカで活躍した。
フェルドマンもその一人。最初はドラムを叩いていたというのだから、本物のマルチ奏者だ。
イギリス出身のフェルドマンがアメリカに渡ったのは1957年。ウディーハーマンのオーケストラに加わって、その後西海岸で活動の領域を広げていった。WEST COASTでの録音では御馴染みになる。そのフェルドマンのアメリカでの初のリーダーアルバムがこの一枚。

ではあるが、このアルバムは世間ではベースのスコットラファロの実質的なデビュー作としても良く語られる一枚だ。まだエバンスと共演する前22歳の時の録音だ。BOPムーブメントをパーカーやガレスピーと一緒にやったレビィーがこのセッションでは兄貴役だ。
確かにこのアルバムを最初に聴くと、まずは音の良さ。それにラファロのベースの何ともいえない唸るようなリズム感に聞き入ってしまう。そしてレビィーのドラミング、最後にフェルドマンのピアノとヴァイブになってしまう。
この時期のContemporaryは、アルバムタイトルに合わせて実に洒落っ気のある写真を使っている。まさに、イギリスから渡来してきたばかりのフェルドマンを他の2人が迎える様子をコミカルに表現している。2人がラフな格好なのに対して、フェルドマンはタキシードに身を固めて。尊敬の念を込めてイギリス紳士を表現しているのか・・・それとも?フェルドマンのプレー振りはそつは無いがやはり多少硬さを感じるのは気のせいか。でも、ラファロとレビィーのお陰かもしれないが。新しい物チャレンジしようという周りの空気は伝わってくる。急速調のBEBOP3人のプレーは見もの。やはり、どうしてもベースに耳が行ってしまうが、色々な意味で歴史の一ページに残るアルバムだろう。

1. Serpent's Tooth            Davis 3:28
2. Waltz                Chopin 5:30
3. Chasing Shadows          Feldman 3:58
4. Flamingo         Grouya, Anderson 3:18
5. S'posin'          Denniker, Razaf 4:29
6. Bebop              Gillespie 2:46
7. There Is No Greater Love    Symes, Jones 4:24
8. Too Blue              Feldman 4:13
9. Minor Lament           Feldman 4:00
10. Satin Doll    Strayhorn, Mercer, Ellington 5:59

Victor Feldman (vib, p)
Scott LaFaro (b)
Stan Levey (d)

Los Angeles, CA, January 21 & 22, 1958

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洋の東西を問わず「東西対抗」というものがある・・・・。

2007-09-01 | MY FAVORITE ALBUM
Lenard Feather / West Coast vs East Coast / A battle of Jazz

日本では、関東 VS 関西だが、多くはスポーツの世界での対抗戦。広いアメリカでは、西地区と東地区でそもそもリーグが分かれている。日頃行き来をするのも大変なのだろう。
JAZZの世界では、50年代“WEST COAST” VS.“ EAST COAST”、場所も変ると文化も変る。違ったカラーのJAZZが同時進行していた。関東の濃い口に対して関西の薄口仕立てのようなものだ。薄口でも、微妙な味付けがWESTの特徴だろう。

色々企画好きのプロデューサーのレナードフェザーが、バトルシリーズをやっていたが、このWEST対EASTを対決させたアルバムがこの一枚だ。
東のリーダー格はサドジョーンズ。ベイシーの仲間を引き連れて参加した。そして、ベースにはOscar Pettifordも参加。一方、西組はアンドレプレビンやバディコレットが参加しているが、いつものWEST派の第一線級メンバーかというと・・?。一軍かもしれないが、JATPのようなオールスターの東西決戦という訳ではないといったところか。
しかし、その方がかえってお祭り騒ぎにはならずに、しっかりと隅々まで企画されている。
まずは、同じ曲を東西で。それぞれアレンジを含めてどう料理するかを面白く聴ける。
当然アレンジの作風も違うし、ソロの入れ方も違って同じ曲だが全く別物に仕上がる。
演奏は正直可も無く付加もなくといったところかもしれない。レナードフェザーの企画物はどうも興味半分で聞いてしまうせいかも知れないが。
そして、最後の一曲のLOVER COME BACK TO MEは、なんと東西で別に録音されたものをつなぎ合せたものだそうだ。東のイントロで、西に移るとプレビンも熱っぽいプレーをし、それにされたかの如く、東が多少アップテンポに引き継ぐという流れは言われなければ分からないかも。ピアノのプレビンがヴァイブを披露している曲もある。VICTOR FELDMANのヴァイブに較べると余興の域を出ないが、これもある意味お祭りセッションのおまけかもしれない。
サドジョーンが入っていたので、興味半分で買った一枚であった。
ベイシーオーケストラの絶頂期を引っ張っていたサドジョーンズは、仲間を連れてたまにはこんな演奏もしていたということだ。

THE GOOF’N I (W)
THE GOOF’N I (E)
HERE’S PETE (W)
HERE’S PETE (E)
BEVERY HILLS (E)
BEVERY HILLS (W)

EAST COAST,WEST COAST (EAST SIDE, WAST SAIDE) (E)
EAST COAST,WEST COAST (EAST SIDE, WAST SAIDE) (W)
LOVER COME BACK TO ME (W&E)

WEST COAST STARS
Pete Rugolo (arr.)
DonFagerquist (tp)
Bob Enevoldsen (Vtb,ts)
Buddy Collette (ts,as,fl)
Andre Previn (p)
Curtis Counce (b)
Stan Levy (ds)
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