A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

若い頃の仲間との再会は、お互いの絆が深まるものだ・・・・

2015-02-16 | CONCORD
Reunion in Europe / Monty Alexander

The CLAYTON-HAMILTON Jazz Orchestraは、今年グラミー賞(Jazz ラージアンサンブル)の受賞を逃したが、このオーケストラが結成されたのは1985年。もう30年が経ったことになる。
リーダーの2人、ジョンクレイトンとジェフハミルトンはコンコルドレーベルに良く登場していたが、その時クレイトンは弟と一緒にクレイトンブラザースで、ハミルトンはLA4などで活動していた。二人の活動歴はさらに古く、自分がジョンクレイトンの名前を見かけたのはカウントベイシーオーケストラだったと思う。
その、2人がまだ20代の駆け出しの頃、先輩のピアノのモンティーアレキサンダーのトリオで一緒に活動していた時期がある。3人のプレーはMPSにアルバムが残っているが、当時MPSの看板であったオスカーピーターンライクの演奏であった。60年代から活動をしていた、モンティーアレキサンダーが有名になったのはこのMPS時代であり、このモンティーアレキサンダーのトリオへの参加が2人の出会いでもあった。

3人はそれぞれしばらく別の道を歩んだが、皆一流の仲間入りを果たしていた。そして、最初の出会いから10年近くが経ち、この3人は再会の機会を得た。
再会は10年前主に活動をしていたヨーロッパでのツアーのために再編されたトリオであった。久々に仲間が合うと記念に何かを残しておきたいと思うのは世の常。
そこは、最年少のハミルトンが気を利かして段取りをつけ、3人で再会の録音を残すことができた。ツアーの最中でスタジオの手配もできなかったのかもしれない、西ドイツのシュトゥットガルトの滞在中、そこでのクラブでの録音となった。ただし、ライブではなくお客を入れないで、クラブをスタジオ代わりに使用して録音である。

曲は、ツアー中も演奏していた曲かもしれない。スタンダードが中心だがモンティー独自の解釈が、そしてモンティーのオリジナルも2曲。久しぶりの再会ではあったが、ツアー中でもありコンビネーションはピッタリだ。ピーターソンライクであった3人の演奏は益々円熟味を増しオリジナリティーが出てきたように思う。

アルバムタイトルは、その状況をそのままにReunion in Èuropeとつけられた。有名バンドのリユニオンバンドが編成されることは多い。しかし、全盛期を過ぎたメンバーの演奏は、懐かしさはあっても、やはり内容は今一つということが多い。が、今回のリユニオンは現役バリバリのメンバー達の再会であった。
会社を引退したOB会の集まりではなく、現役で活躍し始めた頃の大学の同窓会での再会のようなものだ。昔を懐かしみながらも、現役バリバリの話で盛り上がる。各自の得意技が各所で見られる。ベースのジョンクレイトンはレイブラウンのような重厚なプレーをする反面、アルコプレーも得意としている。オーケストラで来日した時も、彼のベースフィーチャーは弓弾きの時が多い。このアルバムでも披露している。

実際のミュージシャンの活動歴を見ると、昔コンビを組んだ仲間との再会セッションは数多く行われている。きっと、お互い現役で活躍している時の再会というのは熱が入ったプレーが繰り広げられることが多かったように思う。生を聴く機会があれば、そのような機会に接することはできるが、レコードでしか聴けないと、そのようなセッションにはなかなか接する事ができないものだ。

その点でも、きっとツアーの途中でこのようなアルバムを残せたのはラッキーだと思うし、それをハミルトンに託し、実際の段取りを任せたジェファーソンはたいしたプロデューサーだと思う。

この再会がきっかけになったのか、クレイトン&ハミルトンのオーケストラが生まれたのは、この後すぐであった。ちょうど、サドジョーンズとメルルイスが再会を果たした後に、サドメルオーケストラが生まれたように。

1. Two Bass Hit             Dizzy Gillespie / John Lewis 7:13
2. Got My Mojo Working               Preston Foster 5:40
3. Smile      Charlie Chaplin / Geoffrey Parsons / John Turner 4:48
4. Yesterdays W. Arkeen / O. Harbach / D. James / J.J. Johnson / J. Kern / A. Rose 5:54
5. Blues for Stephanie            Buck Clayton / John Clayton 3:58
6. Love You Madly               Duke Ellington 5:31
7. Ben          Don Black / Donald Black / Walter Scharf 6:49
8. Eleuthra                    Monty Alexander 6:43
9. That's Why                     Monty Alexander 3:08

Monty Alexander (p)
John Clayton (b)
Jeff Hamilton (ds)

Produced by Jeff Hamilton
Recorded at Club Manufaklur, Stuttgart West Germany on March 27, 1983
Originally released on Concord CJ-231

Reunion in Europe
クリエーター情報なし
Concord Records
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