A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

活きたライブをやるにはそれなりの日々の努力が・・・・

2014-03-24 | MY FAVORITE ALBUM
Jazz Alive / A Night At The Half Note / Zoot Sims & Al Cohn

この前の3連休はお彼岸。墓参りに行かれた方も多いであろう。いつもは閑散としている自宅近くの多磨墓地もこの日ばかりは多くの人でごった返していた。
自分は父の命日が18日、少し早目の墓参りをすませてきた。お彼岸近くが命日だとついつい命日の墓参りと彼岸の供養を一緒に済ませてしまうが、故人の供養と先祖の供養は同じようで違う事。きっとそれではいけないのだろう。
最近では葬儀でも、告別式から初七日の法要までを流れ作業のように一日で片付けてしまう。世の中ある種の合理主義がはびこっているが、世の中の伝統やしきたりのひとつひとつの意味を見直す時かもしれない。

3月23日はズートシムスの命日だった。1985年に亡くなったので、もう30年近く経つ。還暦を目前にした59歳で他界したが、シムスも好きなミュージシャンの一人、もう少し長生きしてほしかった一人だ。
一日にボトル2本を軽く空け、水代わりにビールを飲むほどのヘビードランカーだったようで、お酒に絡んだ逸話はいくつも残されている。あの滑らかなフレーズを繰り出すプレーぶりは酔っぱらってプレーするからこそできる技かと思ったが、プレーの時は案外正気だったそうだ。酒の強さには恐れいる、下戸な自分には想像を絶する。しかし、このきっと深酒が命を縮めたのであろう。何事も程々がよろしいようで。

このシムスだが、15歳でプロ入りし多くのバンドを渡り歩き百戦錬磨で鍛えられてきたが、レスター・ヤングの流れを組むスタイルは晩年まで大きく変わることは無かった。リーダーとして自己のグループを引っ張るというよりは、ビッグバンドやスタジオワークでも色々なセッションに数多く参加していたオールマイティープレーヤーだ。特に、ベニーグッドマンには気に入られていたようで、ツアーがあるとよくオーケストラに加わっていたようだ。

このシムスだが、中堅プレーヤーになってもニューヨークを拠点としてスタジオワークに精を出す傍ら、仲間達とのセッションで技を切磋琢磨することは欠かさなかった。ペッパーアダムスも参加していた、50年代末から60年代の中頃まで続いたLoftでの仲間内での深夜のジャムセッションでは、リーダー格の存在であった

この日々の修行の成果の発表の場がコンボでの活動であったが、その一つが同じテナーのアルコーンとの双頭コンビ。2人のコンビは1952年に始まるが、この2人は有名なウディーハーマンのセカンドハードのサックスセクションに並んで参加していた。この流れで意気投合してコンビを組んだのだろう。2人のコンビは、このLoftが活況を呈していた59年に入っても続いていた。

2人が59年2月にハーフノートに出演した時のライブの演奏が残されている。このアルバムも名盤といわれているが、ライブならではの臨場感の中で2人の熱く流れるようなプレーが楽しめる。単なるバトルでもなく、かといってアンサンブルを売りにするわけでもなく、似たようなタイプの2人のソロプレーを対比させるチームプレーは、テナープレーを純粋に味わうには格好のコンビであった。

B面の曲にはゲストでフィルウッズが加わっているが、こちらも良くスイングするアルトは2人のプレーによく馴染んでいる。「突く」ようなアクセントでメリハリをつけるウッズ独特の節回しはアグレッシブで、グループ全体にも刺激を与えたようだ。このウッズのジーンクイルとのコンビも似たようなコンセプトの双頭チームであった。

このライブを聴くと、観客受けするような派手なパフォーマンスがあるわけでもなく、レコードのプロモーションでもなく、普段仲間同士がLoftで日々繰り広げた実直な演奏を披露しているように思える。このLoftに出入りしていた他のメンバー達、ボブブルックマイヤーやジムホールのその後の活躍をみると、皆、このLoftでの日々の精進がその後の糧となっていたのは間違いないであろう。

1. Lover Come Back To Me
2. It Had To Be You
3. Wee Dot
4. After You’ve Gone

Al Cohn (ts)
Zoot Sims (ts)
Phil Woods (as) #3,4
Mose Allison (p)
Nabit Totah (b)
Paul Motian (ds)

Produced by Jack Lewis
Recorded live at The Half Note on February 6 & 7, 1957
Engineer : Dick Olmsted


Jazz Alive! A Night At The Half Note
Al Cohn & Zoot Sims
BLUE NOTE
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする