At The Half Note Café Vol.1 & Vol.2 / Donald Byrd
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/e4/7470f5459618febe03d1ef58f5e856f7.jpg)
1960年6月、ハワード・マギーのレコーディングに参加したペッパーアダムスは翌7月にはウディー・ハーマンのオーケストラに加わり3週間のツアーに出た。様々なビッグバンドに加わったアダムスであったが、ハーマンのビッグバンドに加わったのはこれが初めてであった。
このハーマンのツアーを終え、正妻のドナルド・バードと7月26日クリーブランドを皮切りに3カ月のツアーに出る。2人のコンビとしては初の長期間ツアーで、メンバーはアダムス&バードにピアノのデューク・ピアソン、ベースのレイモンド・ジャクソン、ドラムはレックス・ハンフリー。前年の10月のドナルド・バードのアルバムに参加したメンバーとほぼ同じだ。
要は、レコーディングであってもツアーもレギュラーメンバーの人選はドナルド・バードが主導権を持っていたという訳だ。バードはツアーの途中でメンバーを替えることがあったが、それはアダムスにも知らされずに突然行われたとか。
このツアーも初っ端からつまずく。8月2日からのシカゴでのツアーの最中に、ドラムのレックス・ハンフリーが急に抜けることに。とりあえずの代役はハロルド・ジョーンズが務めるが、次の公演地であるミネアポリスからは、ジョー・デュークに代わる。
そして、ツアーが続き、11月にニューヨークに戻ると、11月8日からのハーフノートへの出演を前に、6日にこのジョー・デュークを突然首にして、レックス・ハンフリーを呼び戻す。そして、11日のこのハーフノートでのライブレコーディングを迎えることになる。
ハーフノートといえば、ウェスモンゴメリー、アル&ズート、アート・ファーマーなどのライブの名盤があるが、このアルバムもけっして引けを取らない名盤だ。
後にアルフレッド・ライオン夫人になった当時ラジオ番組のDJをしていたRuth MasonのMCでスタートする。ここでの紹介も、「ドナルド・バードのニュークインテット」。相変わらずアルバムタイトルを含めてブルーノートでは契約をはじめとして徹底的にドナルド・バードの単独リーダーの扱いでアダムスは刺身のツマ扱いだ。
曲に関しても、ピアソンとバードのオリジナルが多いが、マイナーあるいはブルースなどブルーノートが目論んだファンキー路線に沿った曲が多い。CDになって追加されたVol.2のスタンダードBetween the Devil and the Deep Blue Seaやテレビの主題歌Theme from Mr. Luckyなどは最初LPでは外されており、ライブでのプログラムでは色々な曲が演奏されたものの、アルバム制作での選曲はカラーが統一されていたように思う。さすがブルーノートだ。
このような状況での演奏ではあったが、アダムスのプレーはますます円熟味が増している。元々どんなスタイルにも合わせられるアダムスであったが、このバードとのコンビネーションは他のグループでは聴くことのできないオンリーワンのチームになっていた。ファンキーでソウルフルな曲に、バードのトランペットとアダムスの低音が上手く重なり合う。
でも圧倒的な存在感はあのソロでのゴリゴリサウンド。なかなかあれは余人をもって代え難い。
当時バリトンといえばマリガン全盛期、大ベテランハーリー・カーネイがいたものの、ハードバップの世界では新人ではあったがアダムスが頭一つ抜け出ていた。本来であれば大ライバルにあったであろうサージ・チャロフがもし生きていたらと思う。
結果的に、バード&アダムスのブルーノートでのライブレコーディングはこのアルバムだけ。色々あるが本来のバード&アダムスのクインテットの姿を今に残しているアルバムの一枚だと思う。
1, Introduction by Ruth Mason 1:20
2. My Girl Shirl D. Pearson 10:32
3. Soulful Kiddy D.Byrd 9:55
4. Child's Play Byrd, Pearso 8:45
5. Chant D.Pearson 11:03
6. A Portrait of Jennie G. Burdge, J. Russel Robinson 6:48
7. Cecile D.Byrd 14:46
8. Jeannine O. Brown Jr., Pearson 13:08
9. Pure D. Funk D.Byrd 6:09
10. Between the Devil and the Deep Blue Sea H, Arlen, T. Koehler 9:54
11, Theme from Mr. Lucky H, Mancini 10:51
12, Kimyas D.Byrd 11:58
13, When Sunny Gets Blue M. Fisher, J. Segal 6:17
Donald Byrd (tp)
Pepper Adams (bs)
Duke Pearson (p)
Laymon Jackson (b)
Lex Humphries (ds)
Recorded live at Half Note in NYC on November 11, 1960
Recording Engineer : Rudy Van Gelder
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/e4/7470f5459618febe03d1ef58f5e856f7.jpg)
1960年6月、ハワード・マギーのレコーディングに参加したペッパーアダムスは翌7月にはウディー・ハーマンのオーケストラに加わり3週間のツアーに出た。様々なビッグバンドに加わったアダムスであったが、ハーマンのビッグバンドに加わったのはこれが初めてであった。
このハーマンのツアーを終え、正妻のドナルド・バードと7月26日クリーブランドを皮切りに3カ月のツアーに出る。2人のコンビとしては初の長期間ツアーで、メンバーはアダムス&バードにピアノのデューク・ピアソン、ベースのレイモンド・ジャクソン、ドラムはレックス・ハンフリー。前年の10月のドナルド・バードのアルバムに参加したメンバーとほぼ同じだ。
要は、レコーディングであってもツアーもレギュラーメンバーの人選はドナルド・バードが主導権を持っていたという訳だ。バードはツアーの途中でメンバーを替えることがあったが、それはアダムスにも知らされずに突然行われたとか。
このツアーも初っ端からつまずく。8月2日からのシカゴでのツアーの最中に、ドラムのレックス・ハンフリーが急に抜けることに。とりあえずの代役はハロルド・ジョーンズが務めるが、次の公演地であるミネアポリスからは、ジョー・デュークに代わる。
そして、ツアーが続き、11月にニューヨークに戻ると、11月8日からのハーフノートへの出演を前に、6日にこのジョー・デュークを突然首にして、レックス・ハンフリーを呼び戻す。そして、11日のこのハーフノートでのライブレコーディングを迎えることになる。
ハーフノートといえば、ウェスモンゴメリー、アル&ズート、アート・ファーマーなどのライブの名盤があるが、このアルバムもけっして引けを取らない名盤だ。
後にアルフレッド・ライオン夫人になった当時ラジオ番組のDJをしていたRuth MasonのMCでスタートする。ここでの紹介も、「ドナルド・バードのニュークインテット」。相変わらずアルバムタイトルを含めてブルーノートでは契約をはじめとして徹底的にドナルド・バードの単独リーダーの扱いでアダムスは刺身のツマ扱いだ。
曲に関しても、ピアソンとバードのオリジナルが多いが、マイナーあるいはブルースなどブルーノートが目論んだファンキー路線に沿った曲が多い。CDになって追加されたVol.2のスタンダードBetween the Devil and the Deep Blue Seaやテレビの主題歌Theme from Mr. Luckyなどは最初LPでは外されており、ライブでのプログラムでは色々な曲が演奏されたものの、アルバム制作での選曲はカラーが統一されていたように思う。さすがブルーノートだ。
このような状況での演奏ではあったが、アダムスのプレーはますます円熟味が増している。元々どんなスタイルにも合わせられるアダムスであったが、このバードとのコンビネーションは他のグループでは聴くことのできないオンリーワンのチームになっていた。ファンキーでソウルフルな曲に、バードのトランペットとアダムスの低音が上手く重なり合う。
でも圧倒的な存在感はあのソロでのゴリゴリサウンド。なかなかあれは余人をもって代え難い。
当時バリトンといえばマリガン全盛期、大ベテランハーリー・カーネイがいたものの、ハードバップの世界では新人ではあったがアダムスが頭一つ抜け出ていた。本来であれば大ライバルにあったであろうサージ・チャロフがもし生きていたらと思う。
結果的に、バード&アダムスのブルーノートでのライブレコーディングはこのアルバムだけ。色々あるが本来のバード&アダムスのクインテットの姿を今に残しているアルバムの一枚だと思う。
1, Introduction by Ruth Mason 1:20
2. My Girl Shirl D. Pearson 10:32
3. Soulful Kiddy D.Byrd 9:55
4. Child's Play Byrd, Pearso 8:45
5. Chant D.Pearson 11:03
6. A Portrait of Jennie G. Burdge, J. Russel Robinson 6:48
7. Cecile D.Byrd 14:46
8. Jeannine O. Brown Jr., Pearson 13:08
9. Pure D. Funk D.Byrd 6:09
10. Between the Devil and the Deep Blue Sea H, Arlen, T. Koehler 9:54
11, Theme from Mr. Lucky H, Mancini 10:51
12, Kimyas D.Byrd 11:58
13, When Sunny Gets Blue M. Fisher, J. Segal 6:17
Donald Byrd (tp)
Pepper Adams (bs)
Duke Pearson (p)
Laymon Jackson (b)
Lex Humphries (ds)
Recorded live at Half Note in NYC on November 11, 1960
Recording Engineer : Rudy Van Gelder
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