A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

人間、せっかく持って生まれた機能を使わないと退化してしまうが・・・・ピアノの左手は?

2011-09-10 | CONCORD
Left Handed Compliment / Dave Mckenna

先日、都心の霞ヶ関近くを車で通っていたら、カーナビの自車マークが現在地を離れて突然暴走しだした。ナビが壊れたのかと一瞬思ったが、しばらく走ってそのエリアを離れると普通に戻った。その後再現しないのでナビの調子が悪いのか?それともその場だけGPS電波を狂わすのか?は分からない。いずれにしても最近はナビに頼った運転が多い。経路だけでなく、到着時刻の予想とか、周辺の渋滞情報の入手まで。

便利にはなったが、そのせいで反対に道を覚えなくなった。その昔ナビなどが無い時代は、初めてのゴルフ場に行く時は大変だった。事前に下調べをして、ゴルフ場ガイドの地図をコピーし。そして渋滞を見込んで所要時間を想定して出発したものだ。今では、おおよその時間を見込んだら、あとはナビの設定任せ。渋滞があるとナビを見ながら回避ルートを探す。ナビや地図を頼りにすると、明らかに「土地勘」が悪くなっているのが分かる。便利さの代償として機能が退化しているのだろう。

1979年のConcord Super Bandで来日したデイブマッケンナ。コンコルドではすでに御馴染みで色々なグループに顔を出していた。彼の良くスイングするピアノはコンコルドのコンセプトにはピッタリだ。そして彼の特徴は左手使い。これまでのアルバムでもそれを売りにしたものがあったが、ソロの演奏だとその特徴はよく分かる。ソロのアルバムは前作に続いてこれが2作目。タイトルからも彼の左手にスポットライトを当てている。

ジャズピアノの歴史を辿れば、アートテイタム、ファッツウォーラーなどの初期のピアニストは皆左手使いが上手かった。ピアノの鍵盤は88。昔はその鍵盤をフルに使った演奏だったが、ジャズではいつの間にか左手はおまけのようになってしまった。分業化が進んだといえばそれまでだが、たまに、ソロやデュオなどで楽器も人の能力も持てるものを存分に出した演奏に触れると忘れられていた新たな発見がある。そういう意味では、左手のピアノの魅力を常に忘れないで演奏し続けたマッケンナは貴重な存在だ。

人間、せっかく持って生まれた能力を便利さにかまけて退化させないように日頃のトレーニングが大事だということだ。



1. Have You Met Miss Jones? Hart, Rodgers 4:51
2. Just as Though You Were Here Brooks, DeLange 3:48
3. (Back Home Again In) Indiana Hanley, MacDonald 3:34
4. Splendid Splinter McKenna 3:43
5. I'll Be Seeing You Fain, Kahal 3:14
6. Wrap Your Troubles in Dreams(And Dream Your Troubles Away) Barris, Koehler, Moll 3:31
7. Easy Living Rainger, Robin 3:49
8. Mixed Emotions Louchheim 4:25
9. When Day Is Done DeSylva, Katscher 3:39
10. Thanks for the Memory Rainger, Robin 3:15

Dave Mckenna (p)

Produced by Frank Dorritie
Recorded at Coast Recorders, San Francisco CA, December 1979
Originally released on Concord CJ-123



Left Handed Complement
Dave Mckenna
Concord Records
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする