A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

アコースティックな世界は人間味を感じる・・・・

2011-09-03 | CONCORD
Moon and Sand / Kenny Burrell

レコード針の調子が急に悪くなった。付着したゴミをとる時に針先を痛めてしまったのかもしれない。愛用のカートリッジはSHUREのV15Ⅲ、すでに購入して何年になるのであろうか。アナログ盤を聴くのを復活してからも大分経つ。すでにメーカーの純正の交換針は提供されていない。普通であればこれで一巻の終わりだが、交換針はサードパーティーか提供されている。今回で2回目の購入だ。ネットで早速購入し翌週には到着した。一個一個特性の測定データが添付された作りたて(?)の製品であった。世の中デジタル万能時代であるが、このようなアナログ製品のサービスには作り手と使い手の間に何か絆を感じる。今のデジタル製品であれば、製品自体を交換することが多く愛着が沸き難い。
自分が乗っている車も、14年前のFordのSUV。走行距離も20万キロを越えた。いわゆるアメ車の品質はよく問題視されるが、この車は当たり車。今まで、故障・トラブルは皆無といっていい。で、ついつい乗り続けているが、ここまで来たらどこまで行けるか乗り潰してみよう。アナログのオーディオも自分が生きている間は聴き続けてみたい。

ジャズの世界でも一時アナログからデジタル、いわゆる電子楽器への転換(挑戦)の時期があったが、いつの間にかメインストリームはアナログ楽器へ戻ってしまった。その中で、ギターだけはチャーリークリスチャンの時代から電気的な増幅のあるエレキギターが主流であった。アコースティックギター、いわゆる生ギターそのものは、カントリーやブルース、ボサノバ、そしてフラメンコなど、その音楽の故郷でそれぞれ違った奏法によって主役となって違う顔で活躍してきた。アコースティックギターの持つ奥深さだ。

Concordレーベルはギターの名手が多く登場しているが、ケニーバレルのアルバムもはここれが第2作目だ。今回はアコースティックギターにスポットライトを当てている。全8曲の内、U.M.M.G.とStolen Momentsを除いて後はすべてアコースティックギターによる演奏だ。パーカッションを加えた演奏はボサノバの演奏では生ギターが効果的なグループサウンドを醸し出している。

レコードのジャケットは中身が良く表現されていると感じがいい。コンコルドには珍しいイラストだが、このジャケットデザインは当たり。1曲目のMoon and Sandと最後の曲のLost in the starsを掛け合わせたような背景と一本のギターが置かれた雰囲気が実にこのアルバムの特徴を表している。

このアルバムのプロデューサーは、Frank Dorritie。すでに何枚目かになるが、これまでのアルバムを振り返っても、カールジェファーソンのいわゆる中間派とは一線を画す良い企画のアルバムが続いている。ケニーバレルのレコーディングは非常に多いが、このアルバムもバレルの普段見せない側面を垣間見ることのできる一枚だ。




1. Moon and Sand     Engvick, Palitz, Wilder 6:24
2. My Ship        Gershwin, Weill 6:31
3. For Once in My Life   Coleman, Wells 4:17
4. U.M.M.G. (Upper Manhattan Medical Group) Strayhorn 2:56
5. Blue Bossa       Dorham 4:12
6. Stolen Moments     Nelson 7:54
7. Love for Sale      Porter 3:49
8. Lost in the Stars     Anderson, Weill 3:20

Kenny Burrell (g)
John Heard (b)
Roy McCurdy (ds)
Kenneth Nash (per)

Produced by Frank Dorritie
Recorded at Coast Recorders, San Francisco CA, December 1979
Originally released on Concord CJ-121(所有盤は東芝EMIの日本盤)

Moon & Sand
Kenny Burrell
Concord Records
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