A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジェファーソンも想像していなかった「瓢箪から駒」のアルバムが・・・・

2011-09-18 | CONCORD
Crystal Comments / Bud Shank

ConcordレコードのオーナーのカールジェファーソンはメインのConcord Jazzシリーズが成功したのに味を占めたのか、いくつかの傍系のシリーズをスタートさせた。その内のひとつが、すでに何枚か紹介したPラテンジャズ系のPICANTEシリーズだ。そして、クラシック系のConcord Concertoだ。この新レーベルのために、Conocrdですでに何枚かのアルバムを出しているバドシャンクがフルートで、ピアノのビルメイズと組んでアルバムを作ることになった。録音に先立ち、この収録曲を中心としたライブが催されることになった。そこで問題が。ライブは3ステージ用意されていたが、録音に使う曲だけでは足りない。さらい、演奏するほうも聴くほうも、このクラシックの小曲集のライブを3ステージやるのは飽きが来てしまうという現実的な問題だ。
そこで頭を捻ると、ピアノのビルメイズが「それでは2人の演奏に電気ピアノ(Fender Rhodes)を加えてはどうか」という提案があり、早速この電気ピアノのAlanBroadbentの参加を求めることになった。

この当時電気ピアノの使用は一般的になっていたが、ジャズの世界ではマイルスのバンドに参加したチックコリアがこのFender Rhodesを気に入って、新しいグループリターンツーフォーエバーではこのサウンドを前面に押し出したサウンドを作り出したのは実に新鮮だった。そのアルバムでも、フルートとこの電気ピアノは実に相性のいい音を出していたが、今回の組み合わせも実に的を得た選択だった。

演奏は、DUOではクラッシクであったが、fenderが加わりジャズのスタンダードを採り上げると実に按配が良く、fenderはある時はメロディーを、そしてリズムを、また時にはベースラインをと縦横無尽に活躍してこの企画は大成功に終わった。そこで、シャンクはせっかくのこの企画をそのままにしてしまうのはもったいないと、早速ジェファーソンにレコーディングの要請をして実現したというのが、このアルバムの生まれた経緯だそうだ。
アルバムタイトルの“Crystal”はこのFender Rhodesにはピッタリな言葉だ。

いつものジャムセッションとは違った形で、このような自然発生的な音楽が生まれてしまうのもジャズの楽しさだろう。
という訳で、いつもと少し毛色の違うアルバムが生まれてConcordのラインナップに加わった。これまでも、何枚かジェファーソンのプロデュースではなく自主制作のアルバムが
あったが、この一枚もそれらの仲間入りだが、いずれも良くスイングする普段着のジャズであるConcordのコンセプトは外していない。

ちにみに、この録音に使われた楽器は,

Pianoは、Steinway 7'6"Model C built in 1898
Phodesは、Fender Rhodes,Suitcase 73




1. Scrapple from the Apple       Parker 5:57
2. How Are Things in Glocca Morra? Harburg, Lane 6:50
3. I'll Take Romance          Hammerstein, Oakland 5:46
4. Solar                Davis 6:39
5. Body and Soul            Eyton, Green, Heyman, Sour 7:10
6. On Green Dolphin Street       Kaper, Washington 8:45

Produced by Bud Shank

Bud Shank Flute
Bill Mays Fender Rhodes,Piano
Alan Broadbent Fender Rhodes,Piano, Piano (Electric)

Hank Cicalo Engineer
Recorded at Crimson Studio,Santa Monica, CA, October 1979

Originally released on Concord CJ-126

Crystal Comments
Bud Shank
Concord Records
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