彌栄会オフィシャルブログ

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クリニック便り~骨粗鬆症と言われたら:骨をいたわる食習慣を!~

2021-04-05 07:00:00 | やよいメディカルクリニック
今回は骨を強くする食事について、基本のポイントを2点お話したいと思います。

1. バランスのいい食事を心がけましょう
バランスのいい食事とは、主食(ごはん・パン・めん類)、主菜(肉・魚・卵・とうふ)などを使った料理、副菜(野菜)を使った料理、汁物(みそ汁やスープ)または果物や牛乳・ヨーグルトなどの乳製品を組み合わせた食事のことを言います。
できるだけ多くの種類の食品を少しずつ取り入れて食事をしましょう。



これは健康を維持するために心がけたい食事内容と変わりありません。
以前の記事(サルコペニアやフレイルと栄養・食事 その② 『食事量・食事回数を振り返ってみましょう!Part 1』~
で紹介した内容も参考にしてください。

2. 骨のために注意したいものがあります
カルシウムは骨に99%、血液や筋肉や皮膚に1%ほど存在し、常に調整されています。
腸管からの吸収が悪く、血液中のカルシウムが不足すると骨からカルシウムが溶け出します。効率よく吸収されるためには以下のとり過ぎに注意しましょう。



〈シュウ酸〉
ほうれんそうやたけのこなどの野菜のあくの成分で、カルシウムと腸内でくっつくとシュウ酸塩となり、カルシウムの吸収を妨げます。水に溶けやすいため茹でることで減らすことができます。あくの多い野菜に偏った食事は避けましょう。

〈アルコール〉
お酒を飲む習慣のある方は適量を心がけましょう。
お酒には利尿作用があり、飲みすぎると体内に吸収されたカルシウムが排泄されやすくなります。一般的に私たちの適量とは、1日に日本酒なら1合、焼酎なら0.5合、ビールなら500ml程度(1日にアルコール約20gを含む量)までです。また、体の小さな女性や高齢者、お酒の弱い方はこれより少ない量が望ましいと考えられています。

〈脂肪〉
バターやラード・肉の脂、マーガリンなどは飽和脂肪酸※1を多く含み、揚げ物や菓子パン、菓子類に多く使われています。これらをよく利用する方は頻度・量を見直しましょう。食事では肉より魚の頻度を増やし、質のいい油(不飽和脂肪酸※2の多い油)を適量とるように心がけましょう。
※1 飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)・・・動物性の脂肪  
※2不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)・・・おもに魚油や植物性の脂肪

〈リン酸塩〉
加工食品や菓子などに食品添加物(結着剤)として使われています。ハムやソーセージなどの加工食肉製品、インスタントのめん類、プリンなどの乳製品、清涼飲料水、はんぺんのような魚介ねり製品など使われているものは数多くあります。加工食品ばかりにならないように気を付けましょう。

〈食物繊維(しょくもつせんい)〉
野菜・きのこ・海そう類に多く含まれています。最近は特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品で難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)を添加した商品も多く出回っています。野菜・きのこ・海そう類を含めた食事を基本にし、これらの商品などからのとり過ぎには注意しましょう。

〈フィチン酸〉
小麦ふすま・玄米や豆類など食物繊維の多い食品に多く含まれています。食物繊維と同じく、とり過ぎには注意し、サプリメントなどは表示を確認しましょう。

次回のブログその②は、骨を強くする栄養素に注目してお伝えしたいと思います。

※医師から糖尿病や腎臓病などで食事指導を受けられている方は指導内容を優先してください。

投稿者:やよいメディカルクリニック 管理栄養士 柑本
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