令和元年5月25日(土)から26日(日)にかけて、和歌山公園砂の丸広場にてリレー・フォー・ライフ・ジャパン2019わかやま(以下RFLと略称)が開催されました。
RFLは、同じ苦しみを持つがん患者さんや、がん患者さんを支える多くの人々が知り合うことで新しい一歩を踏み出し、勇気と希望を与える場となっています。
また、がん患者さん自身もボランティアとして参加されていることから、その姿を医療従事者や一般の方々が目にすることで「社会のがんに対する認識を変えていく」という思いがあります。
日本では2006年に茨城県つくば市で開催してから全国各地に広がり、和歌山県でも2014年に初めて開催され、今年で6回目となります。
メインのリレーウォークは「がんは24時間眠らない」、「がん患者は24時間闘っている」ことから、24時間交代で夜通し歩き続けるイベントで、がんについて分かち合う場となっています。
彌栄会からも和田本部長をはじめ、多数の職員が今年も参加しています。
開会セレモニーでは、がんサバイバーでもある尾花和歌山市長も挨拶され、男性62%、女性47%の方が当たり前のようにがんになられていることや、10年前に肺がんを発症し、周りに人々に支えられ一緒に闘ったこと、がん早期発見に取り組んでいること、がん検診車の紹介及び、当日会場でがん検診を受けることができること等、呼びかけておられました。
その後、12:30より子供ボランティアによる元気な掛け声と共に、リレーウォーク&ランがスタートし、私達も皆様と共に参加させて頂きました。
夜はルミナリエバッグには明かりが灯されており、その一つひとつにがんに対する想いやがんで亡くなった大切な人へのメッセージ等が書かれていました。
エンプティテーブルは、会場に来ることができなかった、またがんとの闘いの中、亡くなった人の席で、白いテーブルに空いた椅子を並べます。
テーブル上には伏せられたグラスや一輪のバラが生けられた花瓶、一切れのレモンや塩がちりばめられた皿等が飾られており、それぞれ意味があります。
「白いクロス」は、医療従事者たちの支えを意味します。
「リボン」は、がんの治療法開発を支えている多くの人々の襟に飾られてきたリボンを表します。
「赤いバラの花」は、家族や友人の愛や、病気と闘う強い決意を表します。
「レモン」は、病気との苦い闘いを表します。
「塩」は、患者の流した涙、大切な人を亡くした方々の涙を表します。
「ふせたグラス」は、ここに来られなかった方への追悼を表します。
その他、24時間を通し、様々なチャリティーイベントが行われました。
現在、日本人の2人に1人は生涯のうちにがんに罹患し、年間で亡くなる人の3割が、がんで死亡するといわれており、私たちにとっても身近な事であると言えます。
毎年RFLに参加することで、利用者様や家族様の支援のことや、家族や自分が、がんになったらどうするのか、がんで亡くなられた方々のことなど、改めて自分なりに考える機会となります。
だぶん、こうして考えることが、大事なのだと思います。
古に漂泊の僧侶、西行が終焉の頃に呼んだ句が有ります。
「願はくわ 花の下にて 春死なん この如月の望月の頃 」
【私が死ぬときはこのようにして死にたい】という西行の思いであり、実際この句の通りに命を終えることができたそうです。
現在、そういった思いがどこまで通用するのか、自分が行ってきた支援も含めて考えてみると、自分だけ都合よく終焉を決めることができるのか?と自問自答してしまいます。
今回を機に5年前に書いたメッセージノートを見直してみようと思います。
最後になりましたが、実行委員長を始め、実行委員の皆様、本当にお疲れさまでした。
ありがとうございました。
医療法人彌栄会HP
投稿者:居宅介護支援事業所 田中