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迷信

2020-02-11 18:50:30 | 日記
5,6歳の頃だったと思う。8つ年上の叔母と道を歩いていて、急に手をつかまれた。親指を中に入れてゲンコツを作らされた。私が不思議そうにすると、叔母は、私たちを追い抜いて行った三輪トラックを指でさして、「あれは引越しの車なの」と言った。トラックの荷台にはタンスなんかが積んであった。そのあとの叔母の話は、「あの家はお父さんが亡くなってお金に困り、引っ越しをしているかもしれないのよ。だからパパが病気でもしたら大変だから親指を隠すのよ」というものだった。

40歳を過ぎた頃、前記のことを同人誌会の集まりの時に何人かのメンバーに話したことがあった。「私もそんなことを言われていました」とすぐに応えてくれたのがE子さんで、私より10年ほど先輩で、横浜で美容院を営む女性だった。「でも父親が亡くなったからではなく、お店が倒産して夜逃げしているところだからと、教わりました」と言った。ま、倒産であっても、主人は親指であるだろう。しかし、この迷信について私は茨城での子供時代、あるいは東京での学生時代にもほとんど聞いたことがない。

現代にはどんな迷信があるのだろうか。もちろん、アート引越センターやアリさんマークのトラックを見て親指を隠そうとする人はいないだろう。ただ、何かのおまじないのようなものは存在すると思うし、それには流行もある気がする。今は学校入試のシーズンである。どこかの神社の絵馬だけではなく、親から聞いた、あるいは先輩から聞いた幸運のおまじないがあるだろう。どんなに化学が進歩しようと、おまじないも残るし、迷信も残る。それらは少しずつ変化するではあろうけれど。

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