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チョコレート

2019-02-07 00:16:46 | 日記
「5,6百円のチョコレートの袋はないか?バレンタイン用に売っていないか?」と娘に訊いてみた。娘は百貨店勤務である。「ないわね」の答えがあって、そばにいた家人も「デパートには、そんなに安いものはないわよ」ものはないわよと付け加えた。そこには、スーパーとは違うという意味が含まれていた。

私はバレンタインのチョコを指圧の重田名人に贈ろうと考えていた。それには、5,6百円のものがよいと思った。ケチっているのではなく、いわば私の感覚である。名人と我が家の関係から考えても、小さな袋が格好だと思った。名人は全盲である。彼の眼になっているのは姪ッ子である。そのことは、治療中の雑談で聞いて知っている。名人は酒呑みであるからチョコレートは食べないだろうから、袋は姪っ子に渡るだろう。「これ、83歳の競馬好きのお爺ちゃん家の奥さんにもらったんだ」「ふぅん。ありがとう」となる。それでいい。

私は小林一三さんを思い出した。小林さんは阪急デパートの社長であり、宝塚歌劇団を育てた大経営者である。まだほかのデパートでは下りのエスカレーターが無かった頃、真っ先に自店に取り入れた人物である。或る時、小林さんは食堂で両親と2人の子供がカレーライスを食べているのを見た。4人前のカレーを注文する金はないから、4皿のライスと2皿のカレーをとって分けながら食べていた。小林さんはすぐに食堂長の所へ行って、「付け合わせの福神漬を倍にしろ」と命じた。

小林さんが最近のバレンタインデーの様子を見たら、5,6百円の、子供でも買えるパックを用意するようにと命じるのではないだろうか。小学校5,6年生の女の子がいる。2月の中旬だから、まだお年玉が5千円ほど残っている。女の子がデパートへ行く。明日はバレンタインデーである。チョコレートを買おう。他にゲームを買う予定があるから、使えるお金は限られている。女の子が5百円の袋をみつける。これなら買える。明日、パパにプレゼントしよう。小林さんなら、そういう絵を思い浮かべるのではないか。ふと、そんな想像をした。

暖房

2019-02-07 00:08:50 | 日記
少年の頃に住んでいた茨城の家は木造平屋建であって、冬になると雨戸を閉め、ガラス戸を閉めても、どこからか隙間風が入って来るような感じがあった。暖房は置き炬燵(電気ではなく木炭を用いる)と火鉢(タドンを使用)、それに夜の布団に湯タンポを入れていた。何を着て寝ていたかはハッキリした記憶がないが、厚木だった。小・中学校の教室には暖房設備はなかった。朝の1時間目の授業は手の指がかじかんで動かないこともあった。そう言えば、かじかむ という言葉を最近は聞かなくなった。いや、最近ではなく、もう何十年も前から聞いていない。

朝、目が覚めると暖房のリモコンスイッチを押す。「25度で運転を開始します」と器械が答える。5分経つか10分過ぎたかと言った辺りで、家人が「1度下げて」と言う。家人は暖房が好きではない。私もその気持ちが理解できる。私の場合は浴室であって、入浴前に部屋を暖められると息が苦しくなるような気がしてしまう。だから家人の指示に従って、「温度を24度に設定しました」にする。わずか1度の差である。しかし、私にとってはその1度が大きい。上半身は暖かいけれど、下半身、足の先辺りが涼しくなった気がするのだ。1度の差は入浴の時によくわかる。私はいつも41度の風呂に入るが、たまに間違えて40度のボタンを押したりすると、途端にぬるくなる。逆に42度にしたりすると、猛烈に熱い。

老人にとって、いちばんありがたいのが床暖房である。穏やかなぬくもりである。上品な感じがする。これは居間と食堂にしかないが、湯上りに床暖房が効いた食堂で晩酌を楽しめるのは贅沢と言える。顔が熱くなる。身体も夏になる。氷を多めに入れた水割りが旨くなる。