Takepuのブログ

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香港映画「葉問1、2」見た

2010-10-02 21:20:07 | 映画鑑賞

2008年の香港の映画祭の話題をさらったドニー・イェン(甄子丹)主演の映画「葉問」。ブルース・リー(李小龍)の師匠という、実在の人物の戦前、戦中の香港を舞台にした、武術に生きる男の苦労と苦悩が描かれている。ウィルソン・イップ(葉偉信)監督作品。サモ・ハン・キンポー(洪金宝)がアクション監督。
あんまりヒットしたので柳の下の二匹目のドジョウを狙うのは香港映画ではよくある話で、前作はずいぶん前に見ていた。いずれも日本未公開。

(この辺からネタバレです)ぶっちゃけ、日本占領下の香港で、日本軍相手にうまく立ち回れない葉問が、食べるものにも事欠く状態のなかで、友情のためと、なぜか勝ち抜けば米が貰えるという都合のいい武術の大会が日本軍によって開かれ、抑圧された香港人のうっぷんを晴らすかのように、葉問が強敵の日本の将校をやっつける、というストーリー。
日本から池内博之も出演しており、中国人が勝手に想像する、あり得ない空手?を披露する。戦前、戦中なら柔道か合気道だと思うのだが、ま、香港人、勝手にやって。

単純に日本を懲らしめて香港人が喝采する映画ではなくて、前半部分は道場破りとか、日本軍に協力して甘い汁を吸う、中国語で「漢奸」と呼ばれる売国奴になってしまう、かつての友人の苦悩も描かれている。
池内博之演じる日本人将校も、まあ、乱暴者とはいえ、中国功夫(カンフー)に敬意を表した紳士的な武術家として描かれている。まあ、日本人的には違和感満載だけど。


柳の下のドジョウを狙った「2」は、日本が去ったあと、香港でいくつもの道場がしのぎを削る状態のなかで、弟子を育成し、旧来からの道場の親方らに甄子丹の葉問が徐々に認められていく様子が描かれる。後半、また外国人を駆逐するシーンがメーンとなり、今度は日本人が相手でなく、英国人のボクサーになる。これは乱暴者で無法者で、「1」で日本人をそれなりに尊厳をもって描いたのに対して、「2」は、本当に嫌なやつとして描いている。その中で香港で最大の道場を開いているサモ・ハン・キンポーは戦いに敗れて死んでしまう。
もう、この辺からは抑圧された中国人が欧米人への復讐をして、憂さを晴らすという程度の低いストーリーに成り下がっている。「1」に比べて「2」は、数段もレベルが下がる。それでも香港の労働者たちは嬉々として観ていたのだろう。

ところで、「レッドクリフ(赤壁)」以降、日本における中国映画の人気が上がっておらず、配給元も二の足を踏んでいるという。東京国際映画祭には上映されるらしいが。まあ、日本人にはあまり受けるとは思えない映画だけど。どうしても見たい人はネットや、香港や中国大陸でDVDを見つけて観てください。

甄子丹の次回作の「精武風雲・陳真」は、香港でのプレミア上映会の舞台に、突然、藤原紀香が登壇したそうな。その紀香に甄子丹は面と向かって「釣魚島は中国の領土だ」と言い放ったという。映画俳優は中国国内のマーケットを無視しては商売できないので、心からそう思っての発言かは不明だが、映画の中のヒーローの様子とは違って、大人げない奴だな。この映画は尖閣諸島問題が影響して、日本上映が難しいとのことだ。


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