Takepuのブログ

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メディアスクラム

2010-11-13 02:43:47 | 時事
尖閣衝突事故のビデオ流出問題で、海上保安本部から事情聴取を受けている海上保安官(43)が13日未明、初めてコメントを出した。

「このたび世間をお騒がせしたこと、及び、多くの人々に多大なるご迷惑をおかけしたことを一番最初に心からおわび申し上げます。本日私がここに宿泊致しますのは、あなたたちマスコミのおかげです。私がこの建物を出たならばさらに多大なる迷惑を多くの人々にかけてしまうからです。本日、私がここに泊まるのは私の意志に基づくものであります。過熱した報道を少しは控えてください。」

だそうだ。このコメントを見て、この保安官が望む立ち位置がわかるような気がする。自分の行為に喝采を送り、同情し罪の減免を願う「怒れるネットウォッチャー」からの支援を受けたいと思う一方、マスコミ不信がうかがえる。入手した映像をマスコミを通じて世に出して自らの主張を訴えるのではなく、ユーチューブで自ら不特定多数を対象に公開することを選択した理由なのだろう。

調子に乗ってんじゃないのか? マスコミが過熱報道するような大それたことをしたわけだ。報道によると、ちゃんとした供述をしないで、はぐらかすようなことしか話していないようだが、もし、自分がしたことに道理があると思うなら、説明責任があるのではないのか。なぜ国家公務員という立場で入手した映像を、政府が公開しない方針であることを知りながら不特定多数に見せるためにユーチューブに流したのか。その理由が明らかにならない限り、マスコミが5管庁舎前で待ち続けるような報道体勢は変わらないだろう。

朝日新聞のネット配信記事を見ると、
「5管は12日夕までには保安官を帰宅させ、本人の記者会見を認める方向で調整を進めていた。しかし、総務部長によると、保安官は13、14日も5管の庁舎に宿泊し、会見は保安官自身と海上保安庁の意向で中止させたという。 」

会見から逃げて説明責任を果たすことを避けたわけだ。海保ももともと会見を認める方向で調整していたということは、逮捕させないつもりではないか。任意聴取の途中段階で記者会見を設定するなど聞いたこともない。13、14日は聴取せず、週明けに逮捕するか否か判断することになるようだが、海保は会見させることで、情状酌量を狙おうとしたのではないか。

警視庁捜査一課は逮捕できるのか。それは映像の中身が国家公務員が守秘義務を果たすべき機密かを証明できるか否かだろう。ビデオは一定期間は海保内の多方面に流布していて「機密」でなかったと、海保は組織をあげて既成事実を作るのではないか。それから、検察は起訴できるのか。これは中国人船長を釈放したときに多くの人々が激怒したことを勘案して、世論の反応がどうなるかを視野に入れて判断する可能性がある。

マスコミのこの問題に対する報道も行き詰っているようだ。筋の話はどうなるのか、それがわからないため、枝葉の部分を取り上げて報じざるを得ない。某地検特捜部のようにストーリーを描いて、それに沿った報道もできないほど、筋が読めないのだろう。