Takepuのブログ

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台湾選挙結果

2010-11-28 04:30:58 | 時事

台湾の有権者は本当に絶妙な選択をする。27日に投開票された5大市長選。与党・国民党の3勝2敗と現状維持となった。失政が目立ち支持率が低下していた馬英九政権に一定の信任を与えたことは間違いない。国民党にとっては事前の公約通り「勝利」だ。ただ、得票率は民進党が49.87%と、国民党と5ポイント差を付けて、再来年の総統選に向けて党勢回復を果たしたといっていい。「得票率が勝敗の基準」と戦前言っていたように、民進党にとっても「勝利」なのだ。

台湾の有権者は、中国と経済的交流を深めている国民党政権に一定の評価を与えて政権を安定させる一方で、次期総統選に向けて民進党への支持も回復していることを示して「国民党、気を抜くなよ」と牽制しているわけだ。


特に、今回、最大有権者数となった新北市(旧台北県)で、次期総統選を視野にいれた蔡英文・民進党主席が善戦、100万票を獲得した。台北市でも国民党の現職に蘇貞昌・元行政院長(首相)が迫った。また、国民党の実力者、現職の胡志強・台中市長に民進党候補が肉薄した。この2人はおそらく2012年の総統選で民進党の正副総統候補になると見られ、かなりの手ごたえを感じたのではないか。実際、もしこの2人が当選して市長に就任してしまえば、総統選立候補前に市長の任期途中で職を辞さなければならず、有権者の批判を受けていたかもしれない。そういう意味では得票でかなりの実力を示して、あと2年間選挙活動に専念できる、という点で民進党にとっては落選しても決して悲観的な状況ではない。
前日、台北県で発生した連勝文・国民党中央委員への銃撃事件で、国民党支持者が危機感を感じ投票に赴いたことも、国民党がぎりぎりで勝利したことの一因になっている可能性が高い。

一方で、もともとの地盤である南部・高雄市では陳菊女史が圧倒的な勝利をし、民進党の実力を見せつけた。うーん。2年後が楽しみだ。