前橋市立白川小学校での活動報告
令和二年11月5日(木)、前橋市立白川小学校で三年生19名対象の学校キャラバンを行いました。
赤城県道を北上し『一之鳥居』をくぐって『畜産試験場』を過ぎ、右手に『馬事公苑』が見えると白川小学校は直ぐ隣です。
学校北の松林から強烈な赤城おろしが吹きつける中、車のドアーが煽られない様注意しながら機材を下しました。
先ず職員室にご挨拶をして、本日の座繰り体験の会場が家庭科室であることを確認し機材を運び入れてから、いつも通り全員の検温をして異常の無い事を確かめてから座繰り器の設置をしました。
吾妻町ご出身のK校長先生から、当校の児童数は101名で、前橋市内の小学校では三番目に児童数の少ない小学校であることや、コロナ禍の影響で社会科見学や遠足などの行事は全て中止となって、運動会も徒競走とリレー、マラソン大会のみ実施したとお聞きしました。
一階廊下には【カイコはかせになろう】と今年三年生が養蚕をした様子を紹介するコーナーがあって、手作りのまぶしで営繭する様子も分かり易く展示されていました。
本日の講話はH岡誠さんが担当しました。導入部としてカイコの一生のDVDを見せてから、皆さんが育てたお蚕さんが作った繭が生糸になって、それを織物へと完結させる絹産業において、今日体験する座繰りがどの部分に当たるのか、又、世界遺産となった四つの絹産業遺産群の役割について要点を黒板に整理して示し、持参した現物や写真も見せながら丁寧に話しました。
三齢からの養蚕経験がある児童の皆さんは、カイコの一生のDVDを見て、自分たちが育てたお蚕の子供、蟻蚕の映像にとても驚いた様子でした。
座繰り体験はN木多恵子さんとM下寿美江さんが担当しました。
N木さんがこの座繰り器が二百年以上も前から群馬県で使われてきた歴史を話して「ただ一つ昔と違うものがありますがそれは何でしょう」と投げかけて、今日使っている電磁コンロが昔は薪を焚いていたことに導きました。そして、煮繭した繭から糸口を出して見せて、それがすぐに一本の繭糸となる過程を示してから、体験を始めました。
M下さんは座繰り器の仕組みを指さしで示して説明しながらハンドル操作を指導しましたが、特に男児があや振り棒の動きに関心を示して、覗き込むようにじっと見続けていました。
座繰り体験が終わった児童には厚紙の糸巻きと煮繭した繭を渡して糸巻き体験をして貰いました。予め糸口の出し方は伝えてありましたが、途中で切れてしまうと私たちに「切れました」と持ってくる児童や、みご箒を使って自分で糸口を出してみる児童と様々です。
三校時が終わって四校時に向けて講話と座繰りのグループを交替しましたが、中には「5分休みがあるからみご箒の使い方を教えてください」と熱心な男児もいました。
担任のS先生は中之条町のご出身だそうで、お爺ちゃんが養蚕をされていたそうです。
四校時が終わると次は給食の時間ですが「今日は給食まだですか?と誰も言わない」とはS先生の感想でした。
後片付けを済ませてK校長先生にご挨拶して退出の折、担任のS先生と男女の児童代表者が玄関に並んで見送りをしてくださいました。
通りに出ますと、この界隈は【蕎麦街道】と言われるほど、お蕎麦屋さんの多い地域ですので、古民家のお店で昼食を済ませてから帰路につきました。
本日の担当は講話のH岡誠さん・座繰り担当のN木多恵子さん・M下寿美江さんとY田節子の四人でした。皆様お疲れ様でした。(Y田:記)