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最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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マルコガタノゲンゴロウ

2012-10-28 23:47:22 | 水生昆虫

マルコガタノゲンゴロウ Cybister lewisianus
2006年採集 

ゲンゴロウに似ているが一回り小型のゲンゴロウ。本種のメスはゲンゴロウと違い鞘翅に皺が無い。
各地で減少が著しく、レッドリストでは一番絶滅の危険性が高い絶滅危惧ⅠA類に指定されている。
そして2011年4月からは国内希少野生動植物種に指定され、採集・譲渡・売買などは禁止された。


ゲンゴロウとの比較。
大きさだけでなく色合いなども異なり、どことなく上品な感じもする…かも?
生きているときは腹があめ色でとっても綺麗です。

ゲンゴロウ その2

2012-10-27 23:55:40 | 水生昆虫

ゲンゴロウ Cybister japonicus
2012年10月 新潟県

標本にするとくすんでしまうが、生きているときは黄色の縁取りが明るくてとっても綺麗。
亜硫酸ガスだと綺麗に残るようだが、変色の恐れもあると言うし、有毒なので使ったことはなし。クエン酸は持ってるのですが…。
先日の標本は酢酸エチル〆後にアセトンで脱脂したものです。


幼虫。三齢幼虫は非常に大きく、多種との区別も容易。他の齢期では他種との区別は私には出来ません


ゲンゴロウ類の幼虫は動くものによく反応し、共食いなども多く見られる。
しかも噛むと同時に消化液を注入するので、少し噛まれただけでも致命傷になると思われる。
この消化液は人にも強力で、噛まれて病院送りになった人もいるほど。


生息環境その1
成虫・幼虫を確認。浅い池でガマなどが生える。ゲンゴロウ属の幼虫が非常に多く、重複含め3~40頭ほどは網に入った。
小さなものもいたので全てナミゲンかどうかはわからないが、良好な生息地だと思う。しかし20cmほどのニシキゴイを4頭確認。


生息環境その2
成虫を確認。少し深めの池でジュンサイ、ヒツジグサ、イヌタヌキモ、ミズオオバコなど水草が豊富。
上を見てわかるように田んぼに囲まれたため池。クロゲンゴロウやガムシなどほかの大型種も見られた。


生息環境その3
成虫を確認。水深は浅いが泥が深くよく潜る。サンショウモ、クワイなどが生えているが一面アオコ?に覆われている。
メダカが多数いたが、それ以上にアメリカザリガニが多くいてあまり良好とはいえない環境。分散個体を採集した可能性もある。

ゲンゴロウ

2012-10-25 22:46:27 | 水生昆虫

ゲンゴロウ Cybister japonicus
2012年採集 新潟県産

ゲンゴロウというとゲンゴロウ科(コツブゲンゴロウ科なども)の総称としても使われることが多いが、コイツはまさに正真正銘のゲンゴロウ。
和名がゲンゴロウだと紛らわしいのでナミゲン・ホンゲン・タダゲン・オオゲンなどの呼び名もある。ちなみに私はナミゲン派です。

写真の個体は左がオスで右がメス。オスはメスを掴む為に前脚に吸盤があり、メスはオスに掴まれやすくなる為に鞘翅に皺が沢山入る。
なのでオスは光沢があり、メスはあまり光沢がありません。

オス背面。


メス背面。

他の種類のゲンゴロウでもメスは点刻が荒かったり、筋が入ったりするものがいますが、同様の理由と思われます。

タイコウチ

2012-10-15 23:02:48 | 水生昆虫

タイコウチ Laccotrephes japonensis
2012年10月 新潟県

本州から沖縄まで広く生息する水生半翅の仲間。
大型種は各地で減少が著しいが、ネットなどで見ると本種は各地でまだ比較的見られるらしい。
しかし新潟県では絶滅危惧Ⅰ類に指定されており、見られる場所は一昔前と比較して非常に少なくなったらしい。
自分が知っていた産地も田んぼが畑になったり、住宅地になったりでいくつか潰れてしまった

今年確認した産地は4ヶ所。内3ヶ所は幼虫を確認したのできちんと繁殖もしている模様。
平地の田んぼ周辺にも生息しているはずなので、潰される前にきっちりと調査をしておきたい。


幼虫
2012年7月 新潟県


オオミズスマシ

2012-10-12 16:45:19 | 水生昆虫

オオミズスマシ Dineutus orientalis
2012年10月 新潟県

北海道から南西諸島まで広く分布するミズスマシの仲間。
近年ミズスマシ類は減少が激しく、少し前に発表された第4次レッドリストにて、本種は準絶滅危惧種に指定された。

他県での状況はわからないが、県内(特に長岡市周辺)では養鯉池が多く、本種は現役の養鯉池でもよく見られるので個体数は多い。



体の脇の黄色いラインと鞘翅先端のトゲが特徴的

ホソクロマメゲンゴロウ

2012-09-27 23:41:33 | 水生昆虫

ホソクロマメゲンゴロウ Platambus optatus
2012年9月採集 新潟県産

湿地や水溜りに生息しているゲンゴロウの仲間。本州から九州まで生息しているが、近年北海道でも発見されている。
Platambus属は外見での区別が難しく、混生することも多いので、オスの交尾器で確認する必要があるので少しめんどい

画像の個体は幸いオスだったので交尾器で種類を確認。

交尾器(中央片)。先端が丸まる。

キイロヒラタガムシ

2012-09-24 23:45:28 | 水生昆虫

キイロヒラタガムシ Enochrus simulans
2012年9月採集 新潟県産

圃場整備された田んぼなどの環境があまりよろしくない場所からコウホネやミツガシワ、イヌタヌキモなどが生える水草豊富な池まで幅広く見られるガムシの仲間。
幅広い環境で見られるが、平地の田んぼ周辺に多いような気がする。

写真の個体はだいぶ黒いがキイロヒラタでいいのだろうか…?採集したときはキイロヒラタと思ったのだが小型のガムシ類はさっぱりです

交尾器。キイロヒラタも図鑑などで交尾器をみたことなし。よって正確なところは不明です。


採集環境。

この場所ではキベリヒラタガムシと完全に混生していて、他にはコガムシとヒメガムシが見られた。
アメリカザリガニが多かったが、ヌカエビもいたり、なぜかサワガニもいたりとよくわからない場所だった。

キベリヒラタガムシ

2012-09-20 23:26:19 | 水生昆虫

キベリヒラタガムシ Enochrus japonicus
2012年9月採集 新潟県産

暗い場所の湿地などに多く見られるといわれているガムシ。
似ている種類にオオヒラタガムシ[Enochrus haroldi]などがいるがこちらは明るい環境を好むとされている。

写真の個体は明るい池のほとりで採集した個体。いくつか採集し、交尾器を抜いたが、オオヒラタではなさそう

キベリヒラタの交尾器は見たこと無いのでこれも本当のところは???

色々な環境で採集はしてるが、どんな場所で採ってもみんな同種(キベリヒラタ)に見える…。

クロゲンゴロウ

2012-09-07 12:25:17 | 水生昆虫

クロゲンゴロウ Cybister brevis
2012年9月採集 新潟県産

各地で減少が著しい大型ゲンゴロウの中では比較的まだ数が見られるゲンゴロウ。
それでも一昔前よりかは見られる場所も数も減ってきている。


生息環境

↑の池はいかにも里山というような環境にあった。昔はこのような池が沢山見られたのだろうか?
この池はクロゲンゴロウが非常に多く、まさに掃いて捨てるほど網に入ってきた。
この場所ならいける!と思ったが、ナミゲンゴロウやマルガタゲンゴロウは確認できず


幼虫も確認。キイトトンボを捕食していた。