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最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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新潟のエゾゲンゴロウモドキ

2012-09-05 22:31:50 | 水生昆虫
従来、エゾゲンゴロウモドキは北海道・青森・秋田・山形・岩手・宮城・栃木に記録があり新潟県では記録が無かったが、粕谷(2010)によって記録され、新潟県中部の山岳地帯に生息していることが確認された。
しかし、灯火により採集されただけで生息環境の確認はされていなかった。この記録の他にも採集されている話はあったが、今のところ全て灯火で採集されただけの様子。

と、ここまで書くと先が読めると思いますが、エゾゲンゴロウモドキを池の中で採集してきましたちなみに上で記録されている場所とは別の場所です。

エゾゲンゴロウモドキ Dytiscus marginalis czerskii
2012年採集 新潟県産

標高500mほどのところで採集。時間も足りなく、幼虫がいない時期だったので、来年の初夏にでも再度確認しに行こうかと思います。


環境などを見るに、きっと広く色々なところに生息しているでしょう。


※学名の間違いを訂正。レッドリストの学名をコピペしたら上の段をコピーしてしまってました
[Cybister tripunctatus lateralis]はコガタノゲンゴロウですね
指摘してくださったM.Mさま、ありがとうございました。

ヒメマルミズムシ

2012-07-23 22:06:16 | 水生昆虫



ヒメマルミズムシ Paraplea indistinguenda
2012,7,14採集 新潟県長岡市産(ルーペ+トリミング)

体長2mm弱のマルミズムシ科の水生半翅。
国内には3種のマルミズムシ科が生息しているが、ホシマルミズムシ[Paraplea liturata](西表島)翅に模様があり、マルミズムシ[Paraplea japonica](本州~南西諸島)は体長が2.5mmほどと大きいため、本種との区別が可能。
本種の特徴としては点刻が明瞭で、頭部の中央に隆起した線が入る。

湿地や池の浅い部分などに生息し、市内では休耕田と浅い池で確認している。生息地での個体数は多い。

コマルシジミガムシ

2012-07-21 13:00:00 | 水生昆虫

コマルシジミガムシ Laccobius masatakai
2012,7,19 新潟県長岡市

2007年に記載されたシジミガムシの仲間。山形・福島・神奈川・茨城などで記録されている。
大きさはこのくらい↓

横のメモリは1mm。ということで本種の大きさは2mmちょい。

岩盤などの染み出し水に生息しているが、砂防ダムの下などの人工的な環境でも見られる。

こんなところとか、

こんなところにいる。

生息地での個体数は多く、よく動き回っているため、大きさの割りに発見は容易。
普通は染み出し水の中にいるが、体を水から出して甲羅干しをしているような個体も見られた。


同じような環境にはミゾシジミガムシ[Laccobius moriyai](本種も2007年に記載。山形がタイプ産地らしい)がいるようだが、こちらは未見。
というか、コマルシジミとミゾシジミの区別点がよくわからない
調べると、[parasutural furrow]があるとGlyptolaccobius亜属でミゾシジミ、無いとCyclolaccobius亜属でコマルシジミとなるようだが、分類学には詳しくないので、この[parasutural furrow]とはいったいなんなのか?

検索するといくつかのサイトが出てくるが、イマイチはっきりしない。それぞれの単語を検索しても[furrow]は溝だが、[parasutural]が出てこない。専門用語なんだろうか?
それでも手持ちの文献なんかを調べてみるとおそらく・・・

会合線に沿って出来る溝のことを指しているのではないかと思う。写真はキベリヒラタガムシと思われるガムシ。

[parasutural furrow]を会合線脇の溝と仮定して採集した個体を見てみるとそのような溝は確認できなかった。

コンデジ+ルーペ+トリミング。もっと鮮明に撮りたいが自分ではこの程度が限界白いのは綿の糸くず。

というわけで、長岡で採れているのはコマルシジミガムシだろうという話し。
結局は原記載を見てみないとなんとも言えないんでしょうがね

コバンムシ

2012-07-20 13:00:00 | 水生昆虫

コバンムシ Ilycoris exclamationis
2012年採集 新潟県産

緑の頭部と赤い眼が特徴的な水生昆虫。
各地で減っていて、環境省のレッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類。新潟県では準絶滅危惧種にランクされる。

水草が繁茂する安定した水域を好み、採集した場所でもクロモ、イヌタヌキモ、ヒツジグサ、ヒシなどの水草が生えていた。

マルガムシ

2012-05-23 23:15:20 | 水生昆虫

マルガムシ Hydrocassis lacustris
2012,5,8採集 北海道士幌町産

流水環境に生息しているガムシ。
原色日本甲虫図鑑Ⅱをはじめ、私の持っている図鑑の全てで北海道の分布が抜けている
しかし、過去に月刊むしの短報で北海道のマルガムシについて書いてあったのを覚えていたので、分布していることは知っていた。
私は士幌町と音更町で確認。

それにしても、個体数が少なくない(とくn士幌町では)のになぜ図鑑では抜けてるんだろうか?

本種は源流域に生息していることが多いが、士幌町内では様々な環境で確認することが出来た。

エゾヒメゲンゴロウ

2012-05-12 23:32:12 | 水生昆虫

エゾヒメゲンゴロウ Rhantus yessoensis
2012,5,5採集 北海道士幌町産

前胸背の黒丸が特徴的なヒメゲンゴロウの仲間。
北海道から九州まで分布しているが、北海道以外では生息地が非常に限られるらしい。
北海道では林内の水溜りなどに多く見られるはずなんですが、士幌町内では今のところ一箇所でしか確認していない。

網走市では林道にできた水溜り(30cm*30cmくらいで水深は2cmほど)なんかでも、成虫・幼虫ともに複数観察したこともある。

ミズムシ

2012-05-05 12:33:13 | 水生昆虫

ミズムシ Hesperocorixa distanti distanti
2012,5,2採集 北海道士幌町産

ホッケミズムシの基亜種で北海道と青森県に分布している。
ホッケミズムシは環境省のレッドデータで準絶滅危惧種に指定されているが、ミズムシは北海道では比較的普通に見られる。

大型のミズムシ類は図鑑類などでは水草が豊富な場所に多いなどと書かれていることも多いが、北海道のミズムシも新潟のホッケミズムシもむしろ水草のまったくないような場所で多数確認している。

オオナガケシゲンゴロウ

2012-04-29 12:27:48 | 水生昆虫

オオナガケシゲンゴロウ Hydroporus submuticus
2012,4,25採集 北海道士幌町産

体長4.5mmほどの北海道特産のゲンゴロウの仲間。
いくつかいるナガケシゲンゴロウ属では国内で最も大きい。

前回のモイワサナエの記事の右側にある水溜りでの採集

クロマメゲンゴロウ

2012-04-13 13:09:41 | 水生昆虫

クロマメゲンゴロウ
2012,4,4採集 北海道上士幌町産

体長6mm程のゲンゴロウ。北海道からトカラ列島まで広く生息している。
この仲間はオスの交尾器を見ないと正確な種類は確定できないのですが、今は出せないので、とりあえずはクロマメゲンということで…。