~鯉のぼり(いらかの・・・)~ 倍賞千恵子
こいのぼりの歌と言えば、童謡「♪屋根より高い~」で始まる歌、そして、「♪いらかの波と~」で始まる唱歌「鯉のぼり」、二曲あることをご存じででしょうか。
作詞:近藤宮子/ 作曲:不明
やねよりたかい こいのぼり
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
こいのぼりと言えば、こちらの歌をまず思い出すかも知れません。
昭和初期に刊行された「エホンショウカ ハルノマキ」で初めて紹介された童謡です。
歌詞は、黒の真鯉を父親、小さい緋鯉を子どもに見立て、「男の子(と父親)が健康に過ごせるようにという願いを込められたこいのぼりが、空を楽しそうに泳いでいる」という風景を表現しています。
作詞:不詳/作曲:弘田龍太郎
甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
こちらの曲は1913年(大正2年)の「尋常小学唱歌 五学年用」に初めて掲載され、文部省唱歌として歌われました。
歌詞には、こいのぼりの雄大さをたたえ、「男の子がこいのぼりのように雄大な姿に成長するように」という願いが込められています。
最近は、口語調でわかりやすい「こいのぼり」のほうがよく歌われ、文語調の「鯉のぼり」はあまり歌われなくなってきました。
いつの時代も「子どもの健やかな成長を祈る」という込められた願いは一緒ですよね。