2020/06/05
「立雲の怪ケしくかがやく日のさなか蟷螂が番ひ雌は雄を啖クラふ
[北原白秋/白秋はさすが大きな景のなか蟷螂の性むごく描けり
/表現に『怪ケしくかがやく』使いたし怪しいさまを形容詞とし][短歌]」
「太葱の一茎ごとに蜻蛉ゐてなにか恐るるあかき夕暮
[北原白秋/白秋の恐れるなにか感じゐて葱の茎ごと蜻蛉がいるを][短歌]」
「大鴉一羽渚に黙モダふかしうしろにうごく漣サザナミの列
[北原白秋/白鷺でなくて鴉をじっとさせ波で動かす技は冴えたり][短歌]」
「池水に病ヤマふ緋鯉の死ぬときは音立てて跳ねてただち息停む
[北原白秋/瞬間を絵にすりゃこんな歌になるほんまかいなと思いはすれど
/鯉を飼う人なら鯉の死に際を知る人も居らむ聞いてみたいが][短歌]」
「左手の脈取るあたり瘤のでき怪しく膨らみ不安になれり[][日記]」
「左首頸動脈のあたりにとイボのできたり小豆のような
[クッキーのイボはとったが][日記]」
「左肩まっすぐ上に上がらないなんか左に受難の多し[][日記]」