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「家持が池主にやる歌二首は病に倒る悲しみの歌(二十年二月の二十九日、守大伴宿禰家持が掾大伴宿禰池主に贈れる悲しみの歌二首()」
「突然に悪い病にかかりたり十日をこえて苦しかりけり(忽タチマチに病ひに沈み、累旬ジュンニクルシミ痛苦す()」
「百神に祈って頼み小康もあちこち痛み感謝も言えず(百神を祷ノひ恃タノみて、且カツ消損セウソンを得れども、由ほ身体疼イタみ羸ツカれ、筋力怯軟ヨハくして、未だ謝を展るに堪へず)」
「逢いたくてこの春花は匂いたり鴬も鳴く春の林に(係恋弥よ深し。方今春の朝春の花、春の苑に流馥ニホひ、春の暮春の鴬、春の林に囀ナく)」
「この時節音楽奏し酒酌んで楽しみたいが杖をついては(此の節候に対アタりて、琴樽翫モテアソびつべし。乗興の感有りと雖も、策杖の労に耐へず。)」
「独り臥せつたなき歌をあなたにと送ったけれど笑われるかも(独り帷幄イアクの裏に臥して、聊か寸分の歌をよみて、軽カロガロしく机下に奉り、玉頤ギョクイを解かむことを犯す。其の詞に曰く)」
「忽タチマチに病ひに沈み、累旬ジュンニクルシミ痛苦す。百神を祷ひ恃みて、且消損を得れども、由ほ身体疼イタみ羸ツカれ、筋力怯軟ヨハくして、未だ謝を展るに堪へず。係恋弥よ深し。方今春の朝春の花、春の苑に流馥ニホひ、春の暮春の鴬、春の林に囀ナく。此の節候に対アタりて、琴樽翫モテアソびつべし。乗興の感有りと雖も、策杖の労に耐へず。独り帷幄の裏に臥して、聊か寸分の歌をよみて、軽カロガロしく机下に奉り、玉頤を解かむことを犯す。其の詞に曰く)」
「春の花今は盛りににほふらむ折りて挿頭カザさむ手力タヂカラもがも(悲しみの歌二首 1/2 #17.3965)」
「春の花今は盛りに匂えるが折って挿頭にする力ない()」
「鴬の鳴き散らすらむ春の花いつしか君と手折り挿頭さむ(悲しみの歌二首 2/2 #17.3966 天平二十年二月二十九日、大伴宿禰家持。)」
「鴬がしきりに鳴ける春の花いつかあなたと手折りて挿そう()」
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「やりにくい子供増えれどやりにくい女房増えたとカモカのたまう(やりやすい女房殿はしたいとき優しくそこで応じる人と)」
「おっちゃんは毒を吐きたりやらせない妻を突き落とす妄想すると(ベランダ越しに突き落とすという衝動あると)」
「『やりにくい女房』なるが第二集『あっ!』というとこ減ってきました()」
「第二集六つの本のセレクト集土屋賢二が解説を書く(『女の気まま運転』,『女の停車場』,『女のハイウェイ』,『芋たこ長電話』,『女の居酒屋』,『女の口髭』,1982-1987)」
「土屋さん田辺聖子のファンらし信用できぬが大絶賛をする()」
「エッセィの好きなところをあげたれば自分の悪さに匹敵すると()」
「まず論旨、次に価値観、最後には表現なれど他にカモカと(強いて三つに絞ると)」
「土屋さんことばを探す術聞けばマグロが溺れるような反応()」
「土屋さん三つあげたるその部分朱で囲んで味わって読め()」
「『アメリカのミソヒト文字』は伯母さんが筆で短冊書く話なり()」
「年老いて思い立ちけんふる里の旅安かれといのりつつたつ(伯母の歌1)」
「うつし世はつねに変われどかわりなき神のみ愛にひねもす今日も(伯母の歌2)」
「老いぬれば一入ヒトシオこいしふる里の幼なじみのあの山この山(伯母の歌3)」