標高1700mあたりだっただろうか、森が途切れてそれまで降っていた小雨が止んだ。 視界がぼんやりして見通しが利くような効かないような中途半端な景色となったのだが霧か薄い雲のようなものの上には太陽があったのだろうか虹が眼の下に出来ていた。
飛行機の窓から下に虹を見たのは何度かあるけれど歩いていて下に見たのは初めてだ。 それにその向こうにうっすら立ち木が見え小道まで透けて見えるのが興味深く写真を撮ろうとしたのだが、そのとき日の光が薄くなったのか虹も立ち木もぼんやりと霞んでしまった。 こういうときにちゃんとしたカメラがあればちゃんと撮れたのだろうが、ここでないものねだりは言わないことにする、と決めたのは重く嵩張るものをやめて小型のデジカメをいつも腰につけていようと決めた時だったのだけど、けれどこういう光が微妙な場面でははつい弱音が出る。