暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

BBCテレビ Newsnight を見た

2011年11月19日 01時44分53秒 | 見る

2011年 11月 17日 (木)

午後3時前からみんなの分の飯をでっち上げ夕方になってばらばらに集まった家族に喰わせ、出かける自分はそれまでに同じものを早めに喰っていたから自分の用事に遅れてはいけないと皆を放って出かけ、2時間ほど経って戻ってきたら家には猫以外誰も居らず、よっこらしょとソファーに沈んでテレビをつけてザップしていたら昔のコミックの再か再々々映画化の「ハルク(2003)」にチャンネルが行き、見たのは主役は知らなかったものの主役を固める後の3人の俳優のものは割と見ていたから結局どういう風に話を終わらせるのかに興味があり観続けたのだが、あと20分ほどで終わるなあと思っていたら、町の読書グループから帰ってきてそこでカフカか今度オランダの文学大賞をとっただれだかのものを厳しい舌で互いに切り刻んだりああでもないこうでもないと言いあったあとワインの一杯もひっかけて零下の夜を自転車でもどってきた家人が横に座って画面をちょっといっしょに見ていて、あれ、あなたこんなものを見るの、なんか日本文学のことをいろいろいう人がこれ?とあざ笑われたのだけれど、だけどそれぞれの俳優を見ているとそれぞれの今までの映画が思い出されたこともあって子供だましのストーリーでも別段どうということもなないし、、、と言おうとすると彼女はもう洗濯物の籠を屋根裏部屋に運びあげていて自分の言葉もそのままウニャムニャとなって横で丸くなっている猫の頭の上に消えたのだった。

その後イギリスBBCテレビ2局の Newsnight を見たら1時間ほどのプログラムは次のようだった。

1)シリア、ダマスカスの現在

シリアの内戦が始まって他の中東で雪崩をうって政権が次々に倒れていったそのパターンにおいて重要な役割を果たしたのは国軍で、それが改革側について市民を支えるということだったのだがそれがシリアでも起こり始めていることを伝え、昨日か一昨日それを巡って湾岸戦争からシャープな分析をしてきたマーク・アービン記者がシリアを巡る大国のバックアップを見ていてなるほど煮詰まりつつあるものだ、と感じたのだった。 そこではア記者のレポートではシリアをバックアップする国がロシア、中国、イランなどであり、そうするとここでいくら国王が大統領に辞職勧告をしても父親から引き継いだ今の二代目(大統領)はその性格からしてなかなか離せないかもしれないと思った後の今日の話だった。

この日はどういう訳かこのニュース・ショーのアンカーが女性、湾岸戦争の砂漠から中継していた女性記者も今回の分析に加わっていてダマスカスを中継して勢力図がどうなっているのかを要約し反乱軍の男性大佐や市民グループの女性リーダーとも交信していたのだが、BBCスタジオのシリア改革フォーラム代表とパリのシリア革命本部かなんとかグループの代表の一人と情勢を討議しあい二人の政治の綱の引き合いを見ていて、ふと、あれ、これ皆女ばかりじゃないかと苦笑したのだった。 うがった見方をすれば多分これも西欧社会でメディアに対するもの、西側のイスラム女性に対する紋切り型のイメージを払拭する政治的な意図でもあることが分かるけれどもなぜか可笑しかった。 軍だ何だと殺しあうのは男達でここで話し合うのは女達、ここでの対話がどれだけ前線の男達に伝わるのかが興味の的だが、メディアではすでにシリア政府が実質的には権力を掌握できていると看做していないようだ。 現に政府側のコメントは一切述べられていない。 あとは何処の強い国がこの国に唾をつけるのかというところを瀬踏みしているように見受けられる。 翌日にはアメリカのヒラリー・クリントン国務長官が他国をけん制するような発言をしたと報じられ誰が反乱軍に軍備を調達するか、というようなことになるだろう。 リビアの件ではフランスが一番に名乗りをあげたのだけど今回はそれよりもデリケートのようだ。 

2)オキュパイ運動の現在

ニューヨークでオキュパイ運動に関わる雑多な人々が占拠していたウォール街の場所が当局によって撤去された件でこれが西欧のあちこちで同様に行われている運動にどのように波及するのか、また運動に参加している者たちの意図が那辺にあるのかを元ゴールドマン・サックスで4年前まで重役をしていた男とこの運動に参加しているジャーナリストの女性が討論するのだが、1%で世界を動かし富を貪る代表と世界人口の99%に属する若者がどのように対話できるのか、というところがポイントだろう。 問題の多い金融界、いいかえれば資本主義の先兵に対して古い言葉で言えば搾取されつづける層の代表の討論だから論点は、ここで元重役が世界規模の問題に対してどのようないい訳をするのかに興味がいったのだが、彼らにしてもここにきて危機感を覚えたのか防戦一方で何を血迷ったか原因を各国の政治家の不手際、社会主義にそまる政治家が起こす悪弊の結果であり金融界には何の責任もない、運動の無駄な行動は市民生活の邪魔となりこの運動は何の結果ももたらさない、と木で鼻を括ったような反応にはさすが女性アンカーもこの答えは期待していなかったようでそれに驚き一気にニューヨークからこの男を嘲笑しながら拍子抜けしたようなジャーナリストがポイントが分かっていない男に驚いているようでその後対話にもならなかった。 あまりにもその論理の単純さと馬鹿馬鹿しさに思い当たることがないでもない。 金融界でこのことに対してコメントするにはよっぽど賢いものでなければ馬鹿をさらけだすことになる。 何も違法なことをしていない、という言葉には間違いがないものの運動側はそれを承知していて資本主義社会において法に守られたもとでの不均衡に対して社会正義を問題にしているわけで金融側もその性格上だれも社会正義などにまともにとりあうようなものがいないことは初めから明らかであるのだが、ここでの擦り合わせの結果も初めからわかっている事なのだが世界に知られた金融機関で嘗て何千人、何万人をも束ねていた男の言には呆れたようだった。 オランダでは依然としてのんびりとアムステルダム証券取引所まえの広場がテント村になっているのだがそろそろクリスマスになるとここに露天商が店を並べる頃にもなり、その商人たちが商売ができぬことを市当局に陳情するようだがこれに対して労働党の市長をいただく市はどのように対処するのかにも関心がもたれている。

3)地球温暖化をどうするのか

科学者にはいろいろあって地球温暖化を防ぐのにその対策を研究する資金を増やし、世界規模、地域規模を問わず規制の法律を強化せよと言う主張と温暖化が起こることの確実性に基本をおいてそれがこれからどのように推移するのかのデータの下、不都合を蒙る企業、団体、市民に対策費を与えよ、と主張するグループがあるそうで両方を代表する科学者が討論をしていた。 ここでのポイントは議論の余地があるものの双方の話す英語、態度に典型的な差が観られたのが興味深かった。 当然のデータと理論を頼りに順々と説く研究者と企業のお抱え学者にも聞こえる有産階級の独特な訛りのある英語で傲慢にも響く論を展開するのにはどうみても科学者とみられないようなタイプの人間の組み合わせには上でみたような違いが見られてゲストの人材を選ぶときにこのようなタイプをわざわざ選んだのだろうかとも思えるようだった。 イギリスの保守派からBBCは社会主義者の集まりだ、というようなことが言われることもあるのを思い出したのだが現在の保守党内閣のもと、別段左よりという風には見えない公的メディアである。 日本のNHKはどうなのだろうか。 中立というより色を恐れ嫌うメディアでないだろうか。 

4)世界サッカー連盟の中での有色人差別、もしくは様々な言語が混ざるトップチームの中で言葉による罵倒の問題にたいしてどうするのかということ

FIFAの会長が人種差別を助長するような発言をした、ということがニュースになっている。 こんなことはいまさらの話でもないのだが、職業スポーツで世界最強の連盟の長の言であるとそれは社会問題となる。 誤りを認め謝罪したそうだが辞任はしないと発表して、それがまかり通る世界かどうか、その政治的行動が注目を浴びている。 ヨーロッパのサッカーチームには様々な国から様々な言葉を話す選手たちが試合、練習の場で相手を罵倒するようなことがあり、それに連盟がちゃんと対応できていない、どころか会長までそれを助長する、ということだろう。 ある言葉が罵倒語であったとしてもそれが親愛の表現でもありえるというような倒錯したようないいわけもありえて問題は錯綜する。 発端はイギリスのチームの監督が選手を人種差別的文言で罵倒したときにそれが画面に写り読唇術の専門家がそれを明らかにして問題になったということで、あろうことかそれに会長が輪をかけたということだ。 八百長問題に加えて人種差別問題がこの肉体を使う世界では頭を痛める元凶になる。