暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

主人公は僕だった 原題;Stranger than Fiction(2006);観た映画、Nov ’11

2011年11月02日 19時11分12秒 | 見る

邦題; 主人公は僕だった(2006)
原題; STRANGER THAN FICTION

上映時間 112分

ジャンル コメディ/ドラマ/ファンタジー

監督:  マーク・フォースター
脚本:  ザック・ヘルム
撮影:  ロベルト・シェイファー

出演:
ウィル・フェレル    ハロルド・クリック
エマ・トンプソン    カレン・アイフル
ダスティン・ホフマン  ジュールズ・ヒルバート
クイーン・ラティファ   ペニー・エッシャー
マギー・ギレンホール  アナ・パスカル
リンダ・ハント
トニー・ヘイル
クリスティン・チェノウェス
トム・ハルス

ひねりの利いた設定と巧みなストーリー展開で評判となった新人ザック・ヘルムの脚本を人気俳優ウィル・フェレル主演で映画化したハートフル・ファンタジー・コメディ。ある日突然、自分の人生が人気作家によって執筆中の物語に左右されていることを知った男が、自分の人生を取り戻すために奮闘するさまを、“小説の語り手”についての考察を絡めつつ、ユーモラスかつ寓話的に綴る。共演にエマ・トンプソンとダスティン・ホフマン。監督は「チョコレート」「ネバーランド」のマーク・フォースター。

国税庁の会計検査官ハロルド・クリックは、規則正しく単調な毎日を送る平凡な男。ところがある朝、彼の頭にナレーションのような女性の声が聞こえる。それは断続的に聞こえるようになり、文学的な表現でハロルドの行動を的確に描写していく。どこかで自分を主人公にした小説が書かれていると疑い始めたハロルドは、“このささいな行為が死を招こうとは、彼は知るよしもなかった”という信じがたいフレーズを聞いてしまう。困惑した彼は、文学を専門とするヒルバート教授に相談してみることに。そんな中、国防費に抗議して税金の一部を滞納し続ける勝ち気なパン屋の女店主アナに心惹かれていくハロルドだったが…。

上記が映画データベースの記述である。 オランダ民放のゴールデンタイムに放映されたものを観たのだが、出版に関して、若しくは文学物に関して教授が登場するコメディーをたまたま2日続けて観ることになった。 昨日は「邦題; 賢く生きる恋のレシピ <未> (2008)原題; SMART PEOPLE」 で大学で文学を講じるのがデニス・クエイドだったのだが本作ではダスティン・ホフマンである。 作の結構といい、それぞれの配役といい本作のほうが数段優れているといえるだろう。 特にラブコメディーの要素の割合を少なくしてその分進行中のフィクションがどのように推移するかという筋の経緯で引っ張っていく仕組みに観るものは惹かれるのであり、それぞれの演技が優れていることもあって人物に引っかかることもなく自然なそれぞれの動きに彼方此方で笑いが誘われることになっている。 とりわけ初めの20分ほどの主人公の生活を描写するテンポと小説が語られるものが混ざり合い重なるあたりの歯切れよさはかなりものであり、マギー・ギレンホールとの出会いと展開が新鮮であるけれどそれ以上彼女を深く関わらせず当然最後の締めはどのようになるのかはコメディーの常として皆には予想が付くものの彼女を後ろに配してホフマンとエマ・トンプソンを前に出す手堅さは皆の納得するところだろう。 クッキー、コーヒーにタバコが効果よく配されて話にアクセントをつけているしフィクションであるからそのフィクションであることをパッチワークとして映像を話の中に挿入し我々を戸惑わせ後で話の辻褄をつけ納得させるような賢いつくりにもしている。 話に合ったフェレル、トンプソン、ホフマンの軽味がそれぞれの評価を高めることはありさえすれキャリアーのマイナスには決してなりはしない。 それは結局ホフマン教授のトンプソンの最終稿に対する評価にも相当するものかもしれない。 昨日の「SMART PEOPLE」ではクエイド教授はC+をつけていたけれど本作ではホフマン教授はB++ぐらいをつけていたのではないかと忖度する。 

テンポとモダニズム、カメラワークが面白いと思ったと感想を言うと、自分はまだ観たことのない、ジム・キャリーの「トゥルーマン・ショー(1998)」を思わせるわね、と洩らしたのは私の横で見ながら笑っていた家人だった。