暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

町の世代交代

2011年11月09日 19時01分08秒 | 日常


土曜の午後、予定も約束もなく、昼に起きてクロワッサンとオランダのオリボレをビールで流し込んで、さて、今日は何をするかと考えると、じゃそれでは晩飯にはカレーを作ろうかと思いつき、それには準備がいるからと近所の肉屋で500gほどの牛の塊を買ってきてそれをさばきながら猫に脂分と筋をやり、赤味をぶつ切りにしたものをバターとオリーブオイルで炒め玉葱の刻んだものをどっさり放り込みその脂分で炒めてしんなりさせた後、安物の赤ワインを壜の半分ほどドボドボと注いで庭からまだ枯れていない香草を鍋に放り込んでかき回していたら頭の上の蛍光灯が切れた。

はて、この前換えたのはいつだったのかと思い出そうとしても思い出せないからもう20年はここにあるとしてもチューブを新品に取り替えた記憶がない。 あれれと思うまもなく頭の上で2,3度チカチカと点滅したかと思えばチューブの片一方に黒い影をつくってパチンと消えた、というか切れて果てた。 仕方がないから梯子を持ってきて23W 220Vと記されている60cmほどの棒を外したらそこに細かい蝿や何かしらの昆虫がどっさり何年かの脂とともに付いていた。 ついでにグローランプを外したのだがそれを捻じって外すのにも脂と多少の昆虫を掴まねばならないのだったのだけどそれは切れたチューブをDIYのスーパーまでもって行って実際に比べるのだから洗剤で汚れとベタベタを兎に角少しでも洗い流さねばならないだろう、どうせ捨てるものなのにこんなことをするのかとも思いながらとにかくブラシでエッチラオッチラ擦った。 

すっきり晴れてはいないものの悪くはない天気の下、自転車の袋から生白い管をだしてぶらぶらと出かけ、ここ何ヶ月か通ったことのない町外れの駅の近くで、そのとなりにDIYの店があるところまで行って驚いた。 この3,4年ずっと工事中だった現場が完成していてそこに職業高校が入る多目的ビルがほぼ完成していた。 2ヶ月ほど前までには何度もその無人駅を利用したことがあるからそれまでビルの裏手の進みようは見ていたのだが表の様子は今が初めてだ。 去年の秋か一昨年の冬には夜中にここをジョギングしていてなんとも巨大なコンクリートの扁平な塔が4本立っていたものが、それが今は徐々に繋がれ横に広がり、一箇所はその塔の間の空間がそのままにされていて全体から見ると積み木細工のようなものが出来ていた。 大分向こうの比較的普通のビルに見える部分には学校が入るのだろうがこちらはオフィスビルになるものとも見え、官庁も入ることも聞いていて手前の下部には車のショールームになるのではないか思われるように車が幾つか置かれているのが見えた。 

ここは400年以上前スペイン軍がこの町を攻め落とすために駐留していたところなのだが当時から100年ほど前までは牧草地がノッペリと広がっていたところなのだが、今に至ってこのようなものがにょっきり生えたというわけだ。 この20年ほどしかこの町に住んでいないけれどそれでもこのあたりの変化は目覚しく、町外れにこういうものが建つようになると思うとここでもまたどこの大都市でも起こっていることが起こり始めたという諦めにも似た思いがするけれど、一方、これを設計した人たちの気分のよさということも分からなくもない。 

ただ、これがこれから20年、30年と経つとどのように見えるか、というのが興味のいくところだ。 自分が働いてきた官庁の建物は80年代の当時流行のスタイルのビルだったのだが今ではこれを歓迎する人がすくないこと、妙な表現だがその美観を批判するものが多いことと比べると建築の流行り廃りの激しさを思うと共に長い目でみてまたこれも使い捨てになるのだろう、とも思うのだ。 DIYスーパーの駐車場に自転車を停めて新しい蛍光灯のチューブとグローランプを買って家に戻ったらたった1時間ぐらいでは肉は柔らかくはなっていなかった。