暇つぶし日記

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ゲット スマート  (2008);観た映画、 Apr. '11

2011年04月18日 23時01分09秒 | 見る
ゲット スマート  (2008)

原題; GET SMART

110分

監督;  ピーター・シーガル
キャラクター創造: メル・ブルックス  バック・ヘンリー
脚本:  トム・J・アッスル  マット・エンバー

出演:
スティーヴ・カレル   マックスウェル・スマート
アン・ハサウェイ    エージェント99
アラン・アーキン    チーフ
ドウェイン・ジョンソン  エージェント23
テレンス・スタンプ   シーグフリード
ケン・ダヴィティアン   シュターカー
マシ・オカ      ブルース
ネイト・トレンス    ロイド
テリー・クルーズ   エージェント91
ジェームズ・カーン   大統領
デヴィッド・ケックナー  ララビー
ダリープ・シン     ダリープ
ビル・マーレイ     エージェント13
デヴィッド・S・リー   クリスティック
ジェフリー・ピアソン   副大統領
ケリー・カーバッツ   ジュデイ
パトリック・ウォーバートン  ハイミー


1960年代に人気を博したアメリカのTVシリーズ「それ行けスマート」を装いも新たに劇場版としてリメイクしたアクション・コメディ。諜報機関の分析官から念願のエージェントへ抜擢されたおとぼけスパイがいざ犯罪一味へ立ち向かう。主演は「40歳の童貞男」のスティーヴ・カレル、共演に「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイ。監督は「N.Y.式ハッピー・セラピー」のピーター・シーガル。

アメリカの極秘諜報機関“コントロール”に所属する敏腕分析官マックスウェル・スマート。彼は40種類もの言語を自在に操り、些細な重要情報のヒントも見逃さない脅威の分析能力を持つため、これまで憧れのエージェントへの昇格を見送られていた。そんなある日、コントロールの本部が世界征服を企む国際犯罪組織“カオス”の襲撃に遭い、全エージェントの顔と身元が割れてしまう事態に。そこで急遽、敵に顔が知られていないスマートがエージェントに昇格するのだった。エージェント“86”となったスマートとコンビを組むのは、整形手術によって新しい顔を手に入れた男勝りの美人エージェント99。2人はカオスの陰謀を阻止するため、さっそく極秘任務に就くのだが…。

上記が映画データベースの記述である。

8時のニュースを見ていて食事のアルコールと胃に消化するために頭の血が移動したことで脳内濃度が薄くなったのかきもちのいい失神というか居眠りをして目が覚めたら明日の天気予報が済んだところで、 またこれか、Oh, Typical! と毒づいたのだったがその後に登場したのがこのコメディーだった。 大分前に「リトル・ミス・サンシャイン (2006)」を観て次のように記したのだが

http://blogs.yahoo.co.jp/vogelpoepjp/60655657.html

その中の二人が本作では主役と彼のチーフを演じていて、さて、どのようになるのか、この手の映画のあざとさがいやになればやめようと思っていたのだが、脚本、というかジョークにつぐジョークの軽快さ、頓知とあほらしさに曳かれて最期まで観た。 何の心配もせず流れにまかせて能天気に笑っていたらいい種類の娯楽作だ。 

昨年だったか「THE NAKED GUN 」シリーズのレスリー・ニールセンが亡くなってテレビで追悼のシリーズを観たところで本作もそのザッカー兄弟の手になるものかと思ったのだがどうも調子が違う。 こちらのほうが時事のもじりや様々なこの手の引用をあちこちに散りばめて、ええとあれは、前にあったこれで、今度のは昔あったあの映画の、、、というようなものが連続してそのスピードというか息継ぎの仕方、ジョークの質の手触りがザッカー兄弟のものとちょっと違う。 それではシークレット・エージェントもので同類の喜劇、「「オースティン・パワーズ (1997,1999)」の二作ともお膳立ては同様だけれどそれとも肌合いが違う。 いづれにしても強力なスターのちょい役としてビル・マーレイや大統領役のジェームズ・カーンにもにんまりするし、特にジェームズ・カーンのでっぷりの貫禄と髪の生え際の後退し方が本作の前日にテレビで観たイーストウッドの「目撃(1997)」で大統領を演じたジーン・ハックマンのものと相似だったのでここでもその作をもじっているのかと勘ぐるほどだった。 自分にはさまざまなカーンの出演作の印象があるけれどスパイがらみで言うとカーンがジョン・シュレシンジャーの「マラソンマン (1976)」でダスティン・ホフマンの兄、CIAエージェントを演じたのが印象に強い。 

切れのいいジョークで笑ってクレジットにメル・ブルックスの名前があるのを認め、なるほど、そのとおりだこれだったのだと納得し、煮ても焼いても喰えぬブルックスの元気さを寿いだ。 そのあと本作もブルックスの40年ほど前のテレビシリーズの焼き直しだと知り、YouTube に貼り付けられている1965年から70年にかけてのオリジナルをいくつか観たら本作がそれの生き写しでこれにもまた笑った。 何れにせよ007シリーズのスラップスティック映画にした貢献度は生半可なものではないのに感心させられるとともに、何でもあり、何でもできる調子よさ、能天気をつきぬけるメル・ブルックスは今更ながら煮ても焼いても、それに何シーベルトかの放射能で炙っても喰えない愛すべきジョーカーだとシャッポを脱がされる。 そしてそこからはハトポッポが何羽か飛び立つのだが、それは決して「しらけ鳥」のように南の空には飛びたつのではなく本作のロシアといいながら見るからにカリフォルニアであるのがみえみえの土地の上空に白々しく舞うのだ。 考えてみればザッカー兄弟にしてもオースチン・パワーズにしても彼らはとっくに本作オリジナルを研究してから作っていたのであってブルックス親父の下、ドタバタ皆兄弟、の印象は同じであるのは当然のことなのだ。