暇つぶし日記

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Estomago、A Gastronomic Story; 観た映画、Apr ’11

2011年04月14日 19時49分47秒 | 見る
Estômago   (2007)

英題; Estomago - A Gastronomic Story

113 分

制作;ブラジル・イタリア

監督:    Marcos Jorge
脚本:    Fabrizio Donvito

出演
João Miguel        Nonato
Fabiula Nascimento   Íria
Babu Santana       Bujiú
Carlo Briani       Giovanni
Zeca Cenovicz      Zulmiro
Paulo Miklos       Etectera
Jean Pierre Noher    Duque
Andrea Fumagalli     Francesco

土曜の深夜、ベルギー国立テレビの放映で本作を観てそのあと参考資料をネットでさがしても普通の映画データベースにクレジットが無く、映画好きが映画祭で観たのかその覚書を下のブログに記していた。 そして直訳して邦題を Estomago 『イブクロ ある美食物語』 としていた。

http://blog.livedoor.jp/joe_tex/archives/65249727.html

IMDb サイトには次のような記述がある

http://www.imdb.com/title/tt1039960/

日本で一般に放映されていたならば評判をとっていただろうと思うのだが配給もとがしっかりしなかったのか営業の目にとまらなかったのだろうか。 日本で放映されなかった、と書いたのはもしそうだったのならネットのブログに感想などが載らないわけはないような種類のものなのだからだ。 食い物に目のない国で漫画でも長くグルメの話が続いている例もあり、映画でも伊丹十三監督の「たんぽぽ」をはじめ幾つも食に話を絡めた映画があるのは周知のこと、本作も食い物に材をとってそこに関わる人間の模様を描く作であり、丁寧に撮られた料理のプロセス、レシピーには薀蓄が加えられて自然と料理番組とストーリのお徳用一石二鳥で、おまけに美食追求ものは自然とサクセス追求ストーリーでもあるから観客の記憶にあとあとまで残る、という利点もある。

主演の男がいい。 おどおどとした態度、ばかなほどの実直さ、監獄での上下関係のなかで芸が身を助くを地で行き、その折々に見せる表情が秀逸である。 特に監獄内で腕をふるって大物を接待する場での同房の囚人を使って晩餐のシェフとして差配するときの叱咤激励ぶりの表情はその頂点でもあろうか。 西洋梨型に膨れた鶏のコロッケがこの男のキャリアを開くもととなるのだが女のむしゃぶりつき方を観ていてもしそのようなものがあるのなら試してみたいような気がする。 ピロシキのようなものに見えるのだが、オランダ語の字幕には「鶏肉のコロッケ」と出ていたがコロッケなら中に多少のつぶしたジャガイモが見えそうなものが女の千切り方からするとジャガイモというよりパンのような感じで割っていたように見えたのだが、ブラジルでは一般的なものだろうか。

また旨いものは旨いものとして監獄の中でも自分の得た手練手管をそのキッチンで光らせるのだがそれでもそれが行き過ぎると老名主からひっぱたかれる、といういわば「常識」ともジレンマもあってそれが他の美味追求映画と一線を画しているのではないだろうか。 刑期がどれくらいになるのかもしれないけれどこの男も中年を超えるとここでもでっぷり太ったマフィアのボス然とした体つき、態度になるのだろうか、興味の行くところではある。