暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

おかたずけの一日(後)

2006年01月17日 09時06分12秒 | 日常
町のはずれでもなく運河に囲まれた中州ともいうべき地区は軽工業団地でもあり、住宅はないのだがこのセンターに来る年寄り、経済的弱者、移民の家族とも見える人々でかなり賑わっている。 私たちも何度もそうしているのだが古いソファーや不要の家具などは電話をすれば従事するボランティアが車で引き取りに来てくれ、このホールに集まった不用品はありとあらゆるものに及びガラクタ市、蚤の市と同じ品揃えであるのだが、息子はこの間DJ用の日本製のアンプとスピーカーを驚くほどの安価な値段で都合してきたように、暇なものには時間をつぶせる場所でもあるのだ。 で、古レコードやでは大体の値段、品が店の種類によって大体想像がつくのだが、こういうどうでもいいと放出する人たちが持ち寄ったレコードはもともと期待できないのだが、もっとも90円均一と書かれていれば期待する方が欲ぼけと言われそうで、それでもたまにこれはというものがあるかもしれないという下心が久しぶりのこのセンターへの訪問となっていたのだ。

それでも各種ジャンルに種別けされてジャズと書かれた200枚ほどの箱にはうんざりするものが殆どでここに持って来る人の人のジャズという音楽に対する認識が分かるというものだがそれでも気を取り直して見て行くうちにレコード屋なら多分買わないが安価に惹かれて買ったものが三枚あった。 どれも今から30年も前の録音で、オランダでは著名の品のいいジャズピアニストの若いときのもので、つい二ヶ月ほど前にたまたま駅前の楽器店に入ったときがらんとした店の中で新DVDのサイン会があり終わりに近づいたのか来ない客をテーブルで待つ、そのピアニストと暇にあかせて半時間ほどしゃべったことを思い出したのだ。

やはり私が学生の頃、ビートルズの音楽を軽音楽、ジャズ味のアレンジで教会のパイプオルガンで演奏したのがあって、日本でも売れたはずでその一枚が私の棚にあったのを思い出して、そのことをきっかけに日本のジャズの様子を問われるままに語ったのだが、当人、日本で発売されたことは露も存ぜず、コミッションは払われたことがない、と憤慨し始めたのだ。 ちゃんとしたレーベルのレコード会社であるので承服しかねるのだが、正確な事は私にも分からず、後日、何かのコンサートの折にその時近くに同席していた音楽関係者から、この話を先日FMラジオで当のピアニストが話していたと聞かされたものだ。 音楽関係の契約うんぬんには今でも相当怪しいことがあると時々聞かされるから30年以上前には今以上に怪しかったに違いないと想像する。

それにこのピアニストのバックで日本ではファンをつかんだ今は亡き女性ヴォーカリストの歌声も数曲入っていること、私が日ごろ足しげくライブに通うオランダ中堅ギタリストの師匠もこのヴォーカリストのバックで演奏していることもあり、そういう意味では興味深いものであり、ロックの古LPであれば盤面が荒れて聞くに堪えないものも多いのだがクラシック、ジャズのファンは比較的扱いがいいので音質も満足のいくものなのだ。 それで3枚で300円に満たない額を払って今はポンコツVWゴルフの見えない駐車場を後にしたのだ。

で、話は飛んで、さきほどインターネットで日本のテレビニュースを見ればライブドアの事務所など10箇所以上に今日検察の手が入って株式の不法取引、風評を操作したことで立件されるというようなことが報じられ、これは明日の別の政府要人まで疑惑が及びそうな証人喚問から目を眩ませる操作なのではないかとも勘ぐってしまったのだ。 それも今朝、「きっこのブログ」を読んでいて久しぶりに面白いものがあるなあと関心したからでもある。 

そのあと昨日の夜中にBBCで見ていたダーツの世界選手権でオランダの4年連続チャンピオンが決勝で同じくオランダの21歳の若者に見事に競り負けたのだがこの若者が家に凱旋した模様が8時のテレビニュースの中でライブで写されて混乱するうちの前で悪がきたちのテレビカメラのまえでのひょうきんな介入振りをする様子がこのスポーツの性格を現していると大笑いしたのだ。 日ごろはきっちりとしたアンカーの解説、現地からのリポーター、カメラのコーディネーションがここではことごとく頓珍漢に分断されこのトピック2分ほどの放送時間で歓迎の馬鹿騒ぎだけが見せられ世界チャンピオンの情報は何も示されていないことにあきれたものだ。 政治のニュースのまともさに比べてマスコミの情報生産のプロセスを裏側から照射したようでおもいもよらぬ楽しい出来事であった。

と、このようにだらだらと書き続けてきて、結局このタイトルの「おかたずけ」は何ヶ月もかかった庭木の残滓だけで、自室のガラクタの山は増えるばかりで触れれば崩れる山の間を軽業師まがいに歩き回り他人が入ればすぐにわかるブービートラップだとうそぶいて、新たに加わったジンのビンをそっと物の間から抜き出してナイトキャップの寝酒とするのだ。

 


Mon. 16-01-06 モロッコ風カバブと野菜入りクスクス

2006年01月17日 06時30分59秒 | 喰う
モロッコ風カバブと野菜入りクスクス


朝、昼   トースト バター 蜂蜜
      トースト バター 苺ジャム
      ミルクティー 500cc

      
夕     ジン、 100cc
      揚げおかき

      モロッコ風カバブ
      野菜入りクスクス
      炭酸水 250cc

      グァヴァ入りヨーグルト

      コーヒー 250cc
      アップルパイ 1片

夜     ネーブル・オレンジ 中1個

夜中    玉露 250cc

      

おかたずけの一日(前)

2006年01月17日 01時35分10秒 | 日常
まあ、この日記、カテゴリーに分けて書いているのだけど、当然重なっている部分も出てくるわけでそうなれば厄介ではあるのだけどそれもうっちゃりながら今までやってきて、今日はあながちそうにも行かなくなったような気分なのだ。

今日の出来事は、<聴く>、<ジャズ>、<健康>、<日常><喰う>にもまたがるエッセーのフュージョンの様相もありちょっと面倒だなあと思いながらどうしたものか迷ったのだが、健康も日常のこと、ジャズもわたしには日常だし、ジャズのコラムは好き物ぐらいしか読まないだろうけれど、今日のLPはジャズといってもまあ、そんなに煎れ込んだものだものでもないし途中で晩飯のコールがかかり<喰う>に中断されるのだから、まあ、ここでもいいかと、そのまま書き続けることにした。

実際、今、今日仕入れてきた<ジャズ>の古LPを<聴き>ながらぽわーんとなってきた<健康>頭でこれを書いているのでどういう風に書き進めていったらいいのか行く先はおぼつかないが、まずはオランダ名物、穀物から蒸留のKetel 1(一番釜とでも訳しておこうか)という気に入りのジンをショットグラスで二年ぶりぐらいになるのか、それをやりながら書いているのだがこれが<健康>にひたすらさわるというわけで映画ディアーハンター<あ、見る、だ>、ロシアンルーレットの場面でデニーロならいいけどもう一人のサイゴンかどこかの曖昧窟で錯乱してこのルーレットで命を懸けた金をピッツバーグかどこかの恋人に送り続けるデニーロの戦友の、なかなかの性格俳優のようにならなければいいが、とここまで書いてきたら、さっき見つけて買ってきたLPからこの映画のテーマが流れてきたのだから、一瞬ぎょっとなりくわばらくわばら、と酔いも醒め、晩飯コールもかかったことだし休憩がてら下に降りて一休みする。


で、クスクス料理で晩飯をすませまだポワーンとなった頭で家人と、ドイツのケルン局だったかのテレビのジャズ番組で昨晩録画したソフトマシーンというバンドのコンサートを見ながら、家人が30年ぶりぐらいだわ、あの人たち60台も半ばの爺さんになっても連中元気なのねとウエザーレポートの70年代初めとマイルスの80年代初めをうまく混ぜ合わせたこれもフュージョンの音を半時間ほど見聴きしてまたぞろ屋根裏部屋に上がってキーを撃ち始めたという次第。

で、なぜ今日はこういう事になったのかということをポワーッとした頭で思い起こせば、それは今日の天気。 この二日ほど良かった日射しなのだがさすが空気中の水蒸気が発散して温度が下がりつつあるのか日中でも歩道のレンガが湿ってその湿りに凍結の粘りが出始めているほど寒いのだが、先週家人に約束しておいた剪定してあった結構あちこちに枝が張り灰色ビロードの木蓮の芽がころころと付いてそのまま何週間にもなっている庭木の溜まっていた枝を市の集積場に持っていくことにもなっていて、それならこの際、巣立ちも済んだクロウタドリの両手の中にすっぽりと入る巣もあったノバラの立ち木をバッサリ伐ってそれも持って行こうと1時間半メニューで午後から作業を始めたのだった。

何ヶ月前かに何回かに渡ってのろのろ<日常>に書いた<庭木を倒す>で残っていた地上1m50ほどの一抱えもある幹を二つにしてプジョー406ステーションワゴンに放り込んでこの木蓮と野ばらを処分するのに一度では埒が明かないのでまあいいかともう50年も前のジャズを車で聴きながら集積場に運んだのだった。 

それでそこに着いてみるといつもながら大型コンテナー、ニュースなんかで世界一のコンテナー集積港、香港かシンガポールで見かけるもの、が幾つも並んでそこに行くまでに先ず入り口で検量、窓口でナンバーと免許証を調べられ、おまけに幾つかのコードを言わされて検問所を通過、木材、園芸ごみ、化学薬品、プラスチック類と各種廃材のコンテナーに来てみて勝手知ったる園芸廃品のコンテナーを覗いて驚いた、でもないかな、家庭用の2mほどのクリスマスツリーでコンテナーが山盛りになっていたのだ。 それで、様子を見ていると大きなユンボというのも可笑しいが、その大型機械の腕先に鉄のローラーにこれまた鉄のとげが付いたので2X4mほどの内を押し付け転がし嵩を小さくしようとしているところだったのだ。 それを5分ほど見ているとなるほど嵩が半分ぐらいになって堪らなくいい緑の香りが立ち上がってきたのだった。 ああ、これは新しい檜の浴槽の匂いか、香のかおりかというもので、モミの木、檜、杉のものだと嗅覚のいい気分を気温3度ほどの青空の下楽しんだのだ。

これを二回1時間以上かけて済ませた後、この集積場の前に、不要のものを無料で受け入れそれを補修して陳列、廉価で売り、利益は関係福祉プロジェクトに還元するという二階建てのかなりの大きさのホールがあり、そこでひさしぶりに何か掘り出し物でもないかと車を駐車場にとめて覗こうとしたら隣の車が様子が妙だ。 ポンコツのVWゴルフをバックさせようと押している若者がいる。 エンジンをかけずに押しているので手伝おうかと声をかけるといいというので様子を見てると細身の若者ではなかなか重く、おまけに運転席でハンドルをきっている女の子もなれない様子、みかねて押せばこれかなり重く、ブレーキが半分かかったようなのだ。 この車でこの重さは無いといえば、この若者、女の子に一言二言告げ、そこでこの二人の口論となり、何だこれと見とれているとやはり女の子がブレーキを踏んだまま我々が押していたわけで、それはで勝手にしてくれとその場を離れたのだがひょっとしてあれは廃品のワーゲン・ゴルフだったのかもしれない、とも後で思ったのだった。