ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

すべての子供が

2015-03-09 21:32:07 | 日記

 さっき、少し悲しい日記を書いたので、きょうはふたつ書くことにしました。

 

 きのう、御所の散策をして事務所へ行こうと歩いていると、お父さんと子供ふたり(ふたりとも就学前くらい)が自転車で私をゆっくりと追い越してゆきました。 事務所は裁判所のすぐ近くにあるのですが、裁判所のぐるりに枝垂れ櫻がたくさん植えられていて、いまはまだ茶色い枝が噴水のように道の上を覆っています。

 

 お父さん、弟、おねえちゃんの順に、みんなヘルメットをかぶり、防寒ばっちりの上着を着ていました。 いちばん後ろを走っていたおねえちゃんが、

 

 「お父さん、4月になったら桜がさくの?」 と噴水のような枝の連なりをみながら言いました。お父さんははじめてそれが桜であったことに気づいたようで、

 「ん? ああ、そうやなぁ」 と答えていました。

 

 ほんの数秒間のできごとでしたが、私はなんだか涙が溢れそうになりました。

 

 穏やかな冬のおわりの、物語のラストシーンみたいでした。 あの子たちは毎年どこかの桜を見てきたのでしょう。 それで、まだ咲いていない枝を見ても、桜が咲くことを思い描き、4月になったら必ず咲くと信じている。 桜の楽しい記憶があるからそんなふうに思えるのでしょう。

 

 すべての子供がそんな思いで生きられたら、と思います。

 

 松谷みよ子さんが亡くなったそうです。 私にできることは、ほんのささやかなことだけれど、これからも物語を書いたり、歌を作ったりしていこうと、そう思いました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さようなら、プー

2015-03-09 20:10:42 | 日記

 今朝、起きなさいよ、と息子を見たら、5歳児くらいになっていた、という夢を見ました。

 

 それで、ああ、懐かしいなぁと思って、朝のフルーツの用意をしようと、フルーツ皿を持ってシンクの前に立っていたら、上から重いものが降ってきて、私の手の中に落ちました。 降ってきたのは夫のコーヒーの壜。 それで、手に持っていた息子のフルーツ皿が割れてしまいました。 私のほうのお皿だったらよかったのに。 一瞬、なにが起こったのかわからなかったのですが、夫がシンクの上の棚からコーヒーの壜を取ろうとして、手をすべらせてしまったようでした。

 

 かわいいプーのお皿だったのに。

 

 マグカップと厚めの丸いお皿と、フルーツ皿のセット。 このフルーツ皿はいろいろ使えて便利で、小さいころはチャーハンやスープ、大きくなってからはサラダやフルーツのいれものとしてずっと使ってきたのでした。 

 

 会社に行って、普通に仕事をしていたのですが、ミスが多くてなんだか調子がでません。

 

 15時ごろ、「あーお茶のもう」と思って、となりのNくんに、「きょうは調子悪いわ。 大事なお皿が朝割れたせいかな」といったら、「なんでそんなに大事なお皿を使ってたんですか」と訊かれて、ああ、と思いました。

 

 だって、お皿だもの。

 

 お皿は使わないと。 飾るだけのお皿ならいらないし。 気に入った食器を使う暮らしが好きなんですよ。 

 

 Nくん「 きょうの朝、仕事のこと考えてて、胃がいたくなって」

 私 「うん。」

 Nくん「 そんな夢みたんですよ」

 私 「夢か!!」

 Nくん「いや、もうほんまに胃が痛いんか、夢のなかで痛いんかわからんようになって」

 私 「この時期はねぇ。 みんなそうやと思うよ」

 

 そんな雑談をしていると、すうっと悲しみが薄まっていくような気がしました。 「あー悲しい」 といったら、「また飲みに行けばいいじゃないですか!」

 

 お気楽なトトロである。 そういうのに助けられているような気もします。

 

 私 「まぁ、もういい加減子離れしなさいよ、って神様からのおつげかなぁと思って」

 Nくん 「お。前向きだ」

 

 雨のなか帰宅したら、今朝割れたプーのお皿が、スーパーのビニール袋で覆われていて隠されたようになっていました。 息子がみつけてかぶせたのでしょうか。 息子のものを壊したんだから、ちゃんと今夜夫に謝ってもらおう。

 

 ながいあいだありがとう。 さようなら、プー。

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする