ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

無言館

2005-08-17 | art/exhibit/museum
今春、東京ステーションギャラリーで、初めて「無言館」が収蔵しているたくさんの絵画と出会いました。戦場に散ってしまった画学生たちの遺作や書簡を見ていくうちに、私の心はすっかり彼らのおかれていた悲運に打ちのめされ、その絵は瞳の奥深くに焼きついてしまったのです。
この8月15日の終戦記念日に、上田市にある美術館「無言館」を訪れる機会に恵まれました。

 館主の窪島誠一郎氏は語ります。
   
  「彼らの描く絵はことごとく深い静寂につつまれている。
        この静寂を無言と解釈する事は簡単です。」   
  「しかし、無言ということからいえば、      
        無言のままで立ちすくむしかないのは、          
   今を 生きる我々のほうなのではないでしょうか」

窪島氏とともにご遺族を訪ね、絵の収集をされたのが、戦死した
同級生とともに、東京美術学校(現・芸大)で芸術に没頭していた
画家の野見山曉冶氏でした。勉強中だった画学生の、
まだ未熟な絵を集めはじめてこんな事を思ったそうです。
  
 「本当はこれが絵っていうものじゃないか。  
  彼らの絵には邪念がない。はったりもなければ、
  ひけらかすこともない、真剣に真摯に描きたい
  人間の一途さが、あの暗い時世の中に
  あったんだ という印象を受けたのです。  
  あの時代「絵描きになりたい」といったら家族みんなに
  反対され、非国民ともいわれました。
  それでも彼らは絵描きにさせてくれと叫んでいました。
  そんな状況の中で生まれた絵です。 
  私は、絵の原点がここにあるように思いはじめていました。 
  じっと彼らの絵を見つめていると何かが伝わってくる。  
  漂ってくる。彼らの“人”が見えてくる。そんな気がします。     
  青春の一途さは、何ものにも代えがたい大切なものを私たちに  
  語りかけてくるように私は思うのです。」 

コンクリートを打ちっぱなしの、薄暗い小さな美術館で、
今はいないはずの沢山のいのちが ことのほか輝いて、雄弁に
私に語りかけてくれた・・・そんな一日でした。

最新の画像もっと見る

2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ヤンチミキ)
2005-09-08 11:10:24
私も「ステーションギャラリー」の展示に行きました。涙が止まらなかったです。。。いつかは「無言館」に行ってみたいですね。
返信する
感動するものは (ビアンカ)
2005-09-10 09:11:18
純粋なもの

真摯なもの

計算のないもの

そして・・・



ヤンチミキさんこんにちは



わすれていたものを

なみだのなかに

たくさん みつけて

こころが

あふれるおもいでしたね

返信する