八月最後の日、 渋谷区立松涛美術館で開催中の「いま、台湾」展へ行ってきました。
この美術展は、「美麗島」―麗しの島と言われる台湾で今、多方面で活躍されている台湾美術院の作家たちの作品を紹介するものです。 台湾美術院は、台湾美術の振興と発展、国際交流を図ることを目的に、2010年に設立されたとのこと。これだけまとまって台湾のアーティストたちの作品を見るのは初めてでしたが、とても親しみの持てる作品の多い展覧会でした。書が絵画の中に書かれた作品も多く、そのバランスがなんとも絶妙ですが、何て書いてあるかわかりませ~ん。作家の名前も難しすぎて覚えられませんが、息子の友人の台湾の方が、スラスラと達筆に書いていたことを思い出しました。発音もフランス語のように難しかった気がします。 林章湖「隠遁の歳月」2012年 傳申「核電爆」2011年 展示会場は、二階と地下一階。こじんまりとした美術館なので、あっという間に見終わります。最後に特別出品されているジュディ―・オングさんの大きな版画二枚を二階で拝見し、ソファに腰かけ、図録や美術館にかかわる冊子などに目を通しました。閑静な住宅街のど真ん中に、建てられたこの美術館は、狭い土地をどのように利用するか、建築家の白井晟一氏はかなり苦慮したそうです。外見だけを見ると、堂々とした花崗岩の建物。狭さを感じさせないのは白井氏の設計によるところが多かったようです。
池と噴水のある中庭を、ぐるりと丸く囲んだ建物のガラス越しには空が垣間見えます。上の写真は、上部にヘンなものが写っていますが、何かが反射したのでしょうか?ちょっと不気味ですね。
☆弐代目・青い日記帳で記事を探してみたら、ありましたありました。内容、まさにその通りです!
来た道を戻る途中、すぐ近くの公園が気になり、中を突っ切りたくなりました。鍋島松濤公園。
秋の気配を感じると、急に夏の暑さが懐かしくなります。もうちょっと残暑を味わいたくなりました。 公園内の池を覗くと、彫刻にしか見えないカメが何頭も固まって一つのオブジェとなっていました。
公園で下の写真を撮っていたら足が猛烈にかゆくなってきたので足元をみると、なんと、短めのパンツと靴の間のわずかな露出部に黒い蚊がびっしり止まっていた!
帰りは文化村のなかに入ると、ギャラリーでのBunkamura25周年記念「吉岡耕二 色彩の旅」の明るい色彩が目に飛び込んできました。
いつもなら時間のある時は東急本店をさっと覗くのですが、この日はこの間も寄った西武デパートに向かいました。
渋谷駅方面へ歩いていくと、文化村通りの道沿いに白いサルスベリの花が咲いていました。四六時中、渋谷の雑踏とともに成長しているこの木も、今が満開で、とてもきれい。
渋谷西武A館の、バービー展を見に行った同じ会場で開催中のグレース・ケリー写真展。女優さんの写真集はプレゼントとして買ったことがありますが(オードリー・ヘップバーン!)、一人の元女優さんの写真展は初めてでした。1950年代を代表する大女優、グレース・ケリー。「喝采」でアカデミー主演女優賞を受賞後、1956年のカンヌ国際映画祭で知り合ったモナコ大公レーニエ三世と結ばれ、女優から公妃へと華麗なる人生の転身をとげ、全世界の注目の的となったことは、私の世代なら少しは記憶の一片として頭の隅っこに残っている筈。どこから見ても、どんなポーズをしても、品位があり、サマになる女性のベスト3の一人に入るんではないでしょうか。そんな素敵な女性は、自動車事故により52才という若さでこの世を去るまで、ハリウッドに戻ることは一度もなかったのです。
彼女を生涯にわたり被写体として撮リ続けたカメラマンが居たことを初めて知りました。
家族以外で、そんな高尚な人間関係を築けるとは、もう素晴らしい、の一言です。コナンが覗くカメラレンズの向こう側には、安心しきって自然体でベストポーズが取れる、一人の同志がいたのですね。
グレースを題材にした映画、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」が10月に一般公開されます。
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