ビアンカの  GOING MY WAY ♪

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   人生は ・・・ダバダバダ・・・

バルテュス展へ

2014-05-21 | art/exhibit/museum



《トランプ遊びをする人々》


《地中海の猫》


自画像《猫たちの王》


《読書するカティア》

バルテュスとは20才の学生のころに知り合ったという
節子クロソフスカ・ド・ローラさん。
彼女をモデルにした絵も何枚かありました。


《朱色の机と日本の女》

先週のことですが、久しぶりに上野まで、夫と二人でバルテュス展
見に行ってきました。

バルテュス夫人、節子・クロソフスカ・ド・ローラさんのことは
以前から知っていたのですが、バルテュスの作品は、雑誌や
新聞で見ていたものの、実際に見るのは初めてでした

ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめたバルテュス、
本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ。(1908~2001)
11才の時に描いたという、愛猫ミツの物語以来、ネコはバルテュスの
なくてはならないモチーフとなっています。ネコに同一化したバルテュス
は、自分を「猫たちの王」と呼ぶようになったそうです。

        
                  (朝日新聞より)


猫と並び、生涯好んで描いたのは、「少女」をモチーフにした絵。
「少女」はバルテュスにとって、「この上なく完璧な美の象徴」でした。
しかし、それらの絵の多くはかなり挑発的というか、刺激的なのです。
それゆえに世間からは賞賛と誤解だらけだったようです。
チケットにも使われた「夢見るテレーズ」もしかり。子供から大人への
過渡期~性への目覚め~が感じられます。
フェロモン漂う少女の傍らで、皿を舐めている猫。いや、バルテュスです!
ドキッとしてしまう構図ですが、大勢の老若男女がそろってそれらの絵
の前に群がり、じっと凝視しているんですから、なんとなく気恥ずかしい
気持ちに・・・。


《決して来ない時》


《キャシーの化粧》


これは、「嵐が丘」の挿絵に取り組んでいたころの絵ですが、挿絵と
ほぼ同じでした。ヒースクリフと令嬢キャシーを、その状況が似ていた
ことから、自分と名家の娘である恋人アントワネットに重ねていたと
思われます。
バルテュスの描く人物は、なんだか人形のようで滑稽な描写が多く
見られますが、自画像となると、ほぼ全部が男前なんですね。
自画像《猫たちの王》を見たとき、あっ、ダルビッシュだ!と、一瞬
思ってしまいました。似ていませんか?
子供のころから日本への造詣も深かったようで、絵の中にもその影響
を多く見てとれます。

 


(webより拝借)

この展覧会の見どころは、スイス・ロシニェエールの邸宅グラン・シャレ
に今もそのまま残っているアトリエの再現が、その一つでしょう。
日本での展覧会ということで、節子さんが一大決心をして、特別に、
初めて再現したそうです。
制作中は家族も入ることが出来なかったというそのアトリエで、画家は
朝から日没までのあいだ、自然光の下で、お昼もとらずに制作に没頭
していたということです。

 

夫の感想は、「上手いんだか下手なんだかよくわからなくなるが、絵が
なんだかやけに脳裏に焼付くんだよね」・・・は、ちょっと同感。

孤高の画家といわれるバルテュス。いまだにグラン・シャレで、着物を
着て過ごしている節子さんがいるからこそ、今回のこの展覧会は
私たちにとって、とても身近に感じたことでした。

 

帰りはずっと行ってみたかったカフェへ寄りました。
それはまた次のブログ記事にすることにします。


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