“ヴィタミーナ”な生活

おいしく食べて、楽しく飲んで 

斬られ権佐

2005年08月04日 | 
先週に引き続き、宇江佐真理さんの本。

「惚れた女を救うため、負った八十八の刀傷」
それゆえ「斬られ権佐」と呼ばれるようになった男が主人公。
6編からなる短編で、これからも続いていくのかな思っていたら、結果は意外でした。

そして先週同様、ここにも強い意志の女性が登場しました。
斬られ権佐がそう呼ばれる所以となった女性、あさみ。
江戸という時代に、若い女性が医者になるために長崎へ勉学のために行くことができたのだろうか、という疑問はさておいて、女性として人間としてとても素敵に描かれていました。

一途に人を思い、懸命に生きた権佐。
権佐を愛し、懸命に生かしたあさみ。
うらやましいくらいの深く切ない夫婦愛、人間愛。
心の温かくなる小説でした。

とは言うものの、主人公権佐は八丁堀の与力である数馬の小者(使い走り)として働いており、ストーリーはワクワク・ドキドキもあり、エンタテイメントとして楽しめるものでもありました。

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