e-note 2005

どうも、ぽんすけです。メモ帳代わりに軽くやらせてもらいます、嘘だけはつかないように・・・

オシムの言葉

2007年01月01日 03時53分08秒 | 
『オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える』木村元彦著(集英社)読み終えた。感動、いやぁ、いい本に出会った!という喜びに浸ってる。

オシムがジェフ千葉の監督になっても彼がどんな人だか知らないので、それほどのリアクションもせず、ただ確実にチームが成績を上げてきているのはニュースなどでも知っていたし、日本代表の監督になり彼の経歴などが紹介され、ジェフ千葉のホームページ上で「オシムの言葉」が話題となり、この本の著者がニュースなどで対談など行なっているのを見るにつけ、興味は増す一方であった。

やっと予約していた本が図書館から届き、一気に読み通した。凄い、スゴ過ぎる。サッカーの監督としてだけでなく、人としての魅力が存分に本の中に織り込まれているのだ。ユーゴスラビア連邦という民族・宗教のるつぼ、そのような国家が解体していくさなかサッカー代表監督を務めていた彼にのしかかる政治的圧力。混乱を極め内戦状態へと突入していくと同時に、ヨーロッパ・サッカー界の頂点を昇りつめていくユーゴスラビア代表チーム・・・しかしすべてが分裂していく中サッカーもそうの例外ではなかった。もうこれは完全なドラマであり、しかしそれが現実に起きた事であるという迫力。

旧ユーゴスラビア諸国、現在のスロベニア、クロアチア、マケドニア、ユーゴスラビア(最近また分裂してユーゴスラビアとセルビア・モンテネグロになった)は97年に旅をした。スロベニア、クロアチアは街自体は落ち着いていて、人々の表情も明るくまるで西側諸国と同じような雰囲気を醸し出していた。一方でユーゴスラビアは、セルビア人地区との境で検問があったり銃を構えた兵士が大勢いたりと物騒であった。街自体もまだ戦争の傷跡から抜け出せないでいたようすで、至る所に国連軍のキャンプ地や戦車・兵士などを見かけた。

バルカン半島は比較的ゆっくり旅をして、気に入った地域のひとつだ。とくにサラエボ市内のいたるところに残る戦争の残像、ベオグラードのどことなく暗い街並み。クロアチアの沿岸都市・スプリットやドブロブニクなどの美しい街並み。ザグレブのカフェでであったクロアチア人の女の子。列車やバスで出会った人たちとの会話。なんかこの辺の歴史についてもう一度、本で調べてみようと思う。

なんか興奮して訳の分からん事ばかり書いているが、オシムという人物がバルカンの歴史を体現しているかのようで、また彼のたぐい稀なる才能とあいまって非常にとてつもなく深い魅力的な物語に仕上がっている。

うーん、それにしても一つ困ったことができた・・・JリーグではJ2時代からアルビレックス新潟を応援しているのだ。(ちょうど仕事で新潟に住んでいたときに、J1に昇格して大盛り上がりだったのだ)でも、なんかコレを読んでジェフも気になる。いや、こんな簡単に浮気してはイカン!

それにしても良かった。本当に面白いイイ本でした。