e-note 2005

どうも、ぽんすけです。メモ帳代わりに軽くやらせてもらいます、嘘だけはつかないように・・・

帝国の慰安婦

2016年07月29日 18時42分06秒 | 
朴裕河(パク・ユハ)著『帝国の慰安婦』(朝日新聞出版)読了。



もう何から書いてよいのか分からないくらいに圧倒された…そして、ところどころで読むのを止めて、思いを巡らせる時間を持ったし考えもした。

とにかくここのところの日韓関係は最悪で、その原因は慰安婦問題だ。この問題をいろいろな角度から記した一冊。第27回アジア・太平洋賞の特別賞、第15回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞作。

まずこの本は、読む人の立場によっては過剰な反応を引き起こすことになるはずで、結局それがこの慰安婦問題を訳の分からない状態までもっていってしまっている、といったことか。

韓国では裁判も起こされ事実上の発禁処分となっているようだ。

タイトルにもあるように‘帝国‘の慰安婦とは、帝国主義によって作り出されたいろいろなシステムが、慰安婦を含め様々な問題を生み出す原因であり、だからといって慰安婦問題に日本の責任がないわけではないが、詳細をしっかりと見つめていこうというもの。とくに‘強制連行はない’との考えは斬新で、まあ韓国人には絶対に受け入れることができないだろうなあ、と思う。韓国人だが慶應大学を卒業して早稲田大学の大学院で学んだ知日派の著者が、これを書くには結構な勇気がいるはずだ。その孤独感のようなものがすごく感じられ、読んでいるだけなのに自分の心が折れそうになった。

また、男性中心社会、ジェンダーなどの点からも切り込んで行き、慰安婦制度を批判。最終的には国と国との‘合意’目指すべくあらゆる可能性を探って、そのことについて一歩一歩筆を進めていく。いやぁ、もう脱帽。

1965年締結の日韓基本条約のことなんかもよく分かったし、いろいろ勉強になりました。オレ自身は右も左もなくて(そういうのがキライで)、だからと言ってやっぱり日本人なので韓国の最近の対応にはウンザリしてました。でもこの本を読んで、少しでもいい方向に行けばいいなぁ、時間はかかってもいいからより良い方向に進んでいけば、という希望を持ちました。それは本当に些細な希望だけれど、そんな気持ちになりました。

ただ現実はそう上手くいかないだろうから、ここまで話が大きくなってしまった以上、日本と韓国の間で現実的な妥協点を見出していくことだと思います。著者は‘妥協’や‘放棄’ではなく、国同士の「合意」を目指してと言ってますが…

ケンカするとやったほうはすぐに忘れるけれど、やられたほうはいつまでも忘れない。なんか韓国って、そう意味でトラウマを抱えている感じで可哀想だ。でも、この本にもあるのだが植民地時代を清算するためにも、こういった問題を客観的に真摯に向き合っていくべきだという意見には大賛成。

そして帝国主義は間違いかもしれないが、それは時代やその時の考え方の制約による限界があって、今の時代にどうこう言うのも…だからこそ、日本もその壁を乗り越えるべく現在の在り方をしっかりと見つめなおしいていく必要がある、そんなとこか。

オレにはうまく説明しきれないけれど、本当にいい本でした。感動とは違うけど、心に残る一冊でした。

街場のアメリカ論

2016年07月27日 18時38分37秒 | 
内田樹『街場のアメリカ論』(文春文庫)読了



中国論よりも若干分かりづらく面白みに欠けるような…でも、そこは内田樹先生の本なので大丈夫です。

中国よりもアメリカのほうが多様で多彩なために、いくら頑張ったところで絞り切れずに話が散漫になるのかもしれない。それと、この本に限らないがアメリカ関連の本を読むと、日本がいかにアメリカの傘下にあるのかってことがわかる。実質上の植民地だな。経済が強くなかったらもうダメだな、日本は。

結論、アメリカはやっぱり面白い。

make room to break the rules

2016年07月27日 14時35分33秒 | テレビ
昨晩、というか今朝…昨日の深夜に目が覚めて眠れなくなったのでテレビをつけたらポール・スミスを長期取材したドキュメンタリー「デザイナーのレシピ」という番組をやっていた。最初のほうは見逃したのだが、かなりいい番組で、ブランドなんか全然知らないのにこれでいっぺんにポール・スミスのファンになった。

松田翔太がナレーターをしていて、ちょうど上野の森美術館で‘HELLO MY NAME IS PAUL SMITH’という展覧会をやっているらしい。なんか自由でかっこよくて、いやぁオシャレなオジサンだな。

その番組で出てきた言葉『 make room to break the rules 』‘規則を破るための余裕を持っておくこと’って感じの言葉だろうか。これで一発でやられた。いやぁ、この番組やってるの知ってたんだけど録画しなかった…失敗!

その後、ネットでいろいろ調べるとポール・スミスの言葉なんかが出てきて、けっこういい感じ。

Vogue.com に載っていたという彼の人生観をここに転記します。

SOME THOUGHTS
by Paul Smith
・Start something new
・Take pleasure seriously
・Work is not about shorter hours or longer hours, it's about every hour
・Look at the world through the eyes of someone you respect, admire and love
・You can't do it without doing it
・Make room to break the rules
・Stop making sense... Logic is predicatable... Think differently



・何か新しいことを始めよ

・本気になってに喜びを受け止めよ

・仕事は、より短い時間、長い時間で決まるものではない。人それぞれの時間で良し悪しが決まるものだ

・自分が敬い讃え愛している人と同じ視線で(同じものの見方で)世の中を眺めよ

・今果たそうとしている使命を投げ出して、次の行動はおこせない

・規則には破る余地を作っておくこと

・簡単に納得するな・・・論理は時として叙述可能なものだ・・・もっと違うことを考えろ


なんだかエネルギーをもらった番組でした。

日本人が知らないウィキリークス

2016年07月24日 21時01分17秒 | 
『日本人が知らないウィキリークス』(洋泉社)読了。



小林恭子、白井聡、塚越健司、津田大介、八田真行、浜野喬士、孫崎享、7名がそれぞれの分野でウィキリークスについて書いている。

ちょっと難しくて俺にとっては分かりづらいところもあったけど、全体としてウィキリークスだけでなく、報道とか国家(主権)とかに関しての話が本当に為になった。

‘ウィキリークス前とウィキリークス後の世界’っていう考え方はすごく共感できる。

インド映画『PK』10月29日上映決定

2016年07月24日 06時20分49秒 | インド映画
ずいぶんと前からインド映画「PK」の上映が決まっていたが、その詳細及び上映日も正式に決定したようです。



日本語予告編動画はコチラをどうぞ!

http://blog.goo.ne.jp/cinemaasia/e/d6eddd31faa3237beef0fa97050f093e

ブックマークにも入れさせてもらってますが、「アジア映画巡礼」のサイトから情報をもらってます。(いつもお世話になってます)

機内サービスですでに見ているけど、本当に面白いインド映画なので、これならインド映画初心者からベテランまで大丈夫です!ぜひぜひご覧ください。10月29日からだそうです。

花粉症治療 2ヶ月目の経過報告

2016年07月23日 11時28分10秒 | 花粉症治療
舌下免疫療法を始めてから、もう少しで2週間になる。

最初は2週間かけて薬の量を少しずつ増やして行き、安定してきたところで決められて量の薬を毎日服薬する。2週目から4週目くらいに、薬の影響なのかほんのちょっとだけ耳の奥のほうが痒くなる症状が出たが、でも薬を飲んで1時間くらいだけだが、今はそれもない。

休みの日の忘れずに毎日しっかり飲み続けている。どれくらい効果があるのかは、来年の2月にならないと分からないが、とにかく期待してる。保険適用もあって薬代もほとんどかからないし、その点は心配ない。

新モンゴル紀行

2016年07月23日 08時30分25秒 | 
菊間潤吾『新モンゴル紀行 ~ザナバザルの造りし美仏のもとへ~』読む。



簡単なガイドブック兼旅行記のような本。何よりビックリなのが、20年ほど前に行ったモンゴルと別の国のようになっていること。信じられない…

さっと読み流した感じ…


世界で一番石器時代に近い国 パプアニューギニア

2016年07月22日 17時54分41秒 | 
山口由美『世界で一番石器時代に近い国 パプアニューギニア』(幻冬舎新書)読み終える。



正直、どんなところかハッキリ分からず、この本を読み終えてなんだか行きたくなってきた。本当に閉じられた世界で、1950年ころに初めて西洋人と出会って(これをファーストコンタクトとよぶ)、それでもやっとここ最近少しずつ変わってきた…そんな感じか。

しかし、この10年で大きな変化を迎える。資源開発に伴っていろいろなものが大きく変わっているようだ…そうなると、ますます行きたい!

インフラ整備はまだまだらしく、バックパッカーの一人旅は厳しいらしい…ツアーでもいいから行きたい。

とても興味深い一冊だった。

シャルリとは誰か?

2016年07月17日 09時40分06秒 | 
エマニュエル・ドット著『シャルリとは誰か? ~人種差別と没落する西欧~』(文藝春秋)読了。



シャルリ・エブド襲撃事件を受け、フランスで起こった‘私はシャルリ’デモ。表現の自由を掲げてはいたものの、実は非常に排外主義的で…といった内容。

本を開くと‘日本の読者へ’という文章から始まる。これがもう感動!

内容はけっこう難しくて、正直途中はななめ読みした。でも、それでも読む価値あり!

謎のアジア納豆

2016年07月17日 07時16分51秒 | 
高野秀行著『謎のアジア納豆 そして帰ってきた日本納豆』(新潮社)読み終える。



さすが、高野秀行!もう面白すぎる!

昔、中国の雲南省で納豆を喰ったことがある。市場に簡易食堂が付いているようなところで。それにしてもこれほどまでにアジアのいろいろな地域で納豆が喰われているなんて…そして彼の行動力に脱帽。

出張で沖縄に来ています

2016年07月11日 18時09分19秒 | つれづれ
今朝早くの飛行機で沖縄に来ました。初沖縄です。

空が青くて広いです。思っていたより高い建物がなくて、空が広く感じるのかもしれません。今仕事を終えてホテルに入ったところです。これから取引先の人と食事です。

まあ仕事なので仕方ないけれど、少しはノンビリ観光でもしたいです…

自壊する帝国

2016年07月08日 18時54分07秒 | 
佐藤優著『自壊する帝国』(新潮文庫)読了。もう圧巻!



ソビエト連邦が崩壊してゆく過程を、外交官として間近に見ていた著者の渾身の作品。もう迫力がハンパない!そして知性がとてつもない!

でも、なにより佐藤青年と親友サーシャとの青春物語のように読めたのはオレだけか?これも必読の一冊。