池田清彦+養老孟司『正義で地球は救えない』(新潮社)読み終える。
この手の話は難しい。たとえば島国ツバルが沈んでいるのは温暖化による海面上昇のためでなく、地盤沈下の影響だというデータもある。またCO2をトレードする制度はマズイ!必ずマネーゲームになるというの頷ける。
「環境問題とはつまるところ、エネルギーと食糧問題である」とは、まさにそうだと思う。
中米のコスタリカは‘バイオ・プロスペクティング’を積極的にやっている。自然保護で立国を図っている。
とにかく読んでほしい一冊です。いろいろと考えさせられます。最後にダライ・ラマ14世の言葉が載っている。
『家は大きくなったが、家族は減った。 どんどん便利になったが、余暇は減った。
学位はとったが、感性は鈍った。 知識は増えたが、判断ができなくなった。
専門家が増えた分だけ、問題も増えた。 薬は増えたが、健康だと思う人は減った。
月まで行って帰ってくるが、向かいの人に会いに行くのに、道路を横断するのも大変になった。
量は増えたが、質は下がった。 背は高くなったが、気は短くなった。
大儲けはできたが、人間関係は疎遠になった。
窓にはたくさんのものが飾ってある時代だが、貯蔵庫は空っぽだ。』