うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 二十八

2009-08-25 05:40:48 | 日記

山から山がのぞいて梅雨晴れ<o:p></o:p>

遥か遠望する山並み、山はお互い兄弟のように支えあい、重なり合ってこちらを見てます。山々の表情が揃って首を傾げる仕草に似てほっとさせられます。鬱陶しい梅雨空が続きましたが、山裾に棚引く梅雨雲が次第に薄く消えていきました。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

朝からはだかでとんぼがとまる<o:p></o:p>

一人住まいの気安さ、だれはばかることなくもろ肌脱ぎになります。井戸端でしょう、手桶の水に手拭を潜らせ絞ります。無造作に握って先ずは顔ですか腕ですか、そして胸肌と拭き、もう一度今度はよく濯いで絞りました。その端を持ってさっと空を切って棒状にして背中を拭き、丸めて両肩をこするように拭きました。その間周りを旋回していた一匹のとんぼが何気なく肩に止まりました。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

蜘蛛は網張る私は私を肯定する<o:p></o:p>

綺麗に網を張り、中央に鎮座した一匹の蜘蛛が四辺を睥睨してます。何が何でも他者の侵入を見逃さずと気合いを漲らせているのです。巣は微かに揺れて光りました。山頭火も負けてはいません。自分の詩心を痛ましいほどの切磋で磨きます。そして自信をもって世に問います。私はあくまで私、私は私であることに誇りを得たい。例え山河の果てに朽ちようともです。蜘蛛と一騎打ちの気迫です。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

いつでも死ねる草が咲いたり実つたり<o:p></o:p>

花の命は短くて、といった光景とは見ません。放浪の旅路は危険と背中合わせ。一面の野原に咲き乱れる花々に目を奪われる反面、即座に断じることもあるのです。それが命朽ちれば死のしとねとなると。<o:p></o:p>