うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 二十三

2009-08-20 04:49:18 | 日記

ここにこうしてわたしをおいてゐる冬夜<o:p></o:p>

悠然と座す不動の気合いが窺われます。同時に自然と対峙する峻厳な気持と裏腹に、自然に融和する優しさも感じます。自然にそっと身を預ける謙虚な山頭火、厳しい寒さを押し付ける冬に対して、そっと傍に置かしてくれていると、仏に帰依するようです。<o:p></o:p>

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焚くだけの枯木ひろへた山が晴れてゐる<o:p></o:p>

自然が与えてくれる生活の糧といえます。自然界に密接して生きる山頭火、動物が餓えを満たすだけの獲物しか捕らえません。それに似て見事に言ってのけます、焚くだけの枯木と。山は晴れ、明日も天気は良さそう、足腰鍛えるためにも明日も焚き木拾いに山に入りますか。<o:p></o:p>

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雪へ足跡もがつちりとゆく<o:p></o:p>

自然界と真っ向に向かい合う行乞の日々、生半可な精神では脱世俗の世界からは脱落です。雪深い街道か山道か、山頭火は気を引き締めて一歩を踏み出します。がっちりと足跡を確かめ、又一歩と雪を踏みしめます。<o:p></o:p>

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しんみり雪ふる小鳥の愛情<o:p></o:p>

つがいの小鳥でしょうか、小枝に寄り添うように止まっています。寒さに震えているよう素振りを見せますが、時折小首を傾げどちらともなくからだを寄せます。小さな胸が幾分膨らんだような様子です。小雪もしんみりと小鳥に降る光景です。<o:p></o:p>

 

雪のあかるさが家いつぱいのしづけさ <o:p></o:p>

しんしんと降り続ける雪で、辺りは静寂に包まれています。草庵を呑み込むような静けさと不似合いに、部屋には明るさが行き渡っております。<o:p></o:p>