うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 十六

2009-08-13 05:05:16 | 日記

びつしより濡れて代掻く馬は叱られてばかり<o:p></o:p>

農業のことは皆目分かりませんが、想像を交えて書きます。田植え前に田圃の土を掻き起こすといいますか、鍬を入れます。昔は馬が鋤きを装備して農夫が掛け声かけて稲代を耕したのでしょう。田に水を入れる前の大仕事ではと思います。<o:p></o:p>

馬は鼻息も荒く、主人の叱咤励ましにその体は、噴出する汗でびっしょりと濡れてます。汗は湯気となり叱咤は続きます。<o:p></o:p>

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はれたりふつたり青田になつた<o:p></o:p>

山頭火は草庵にあっても放浪の日々にも、常にお百姓の生活に温かい目を向けています。雨が続けば続いたで、日照が続けは続いたで作物の出来に一喜一憂といったところです。晴れたり降ったりの天候を案じましたが、見事に田植えは終了し、山裾まで青々とした田園が広がっています。<o:p></o:p>

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ほととぎすあすはあの山こえて行こう<o:p></o:p>

いいですねえと、羨望と感嘆の一句です。漂泊行乞の身に明日に確固たる道筋はありません。今日の行乞は終わりました。夕暮れの宿の窓に山が迫っています。ふとホトトギスの鳴き声が耳に響きました。そうしよう、明日の進路は決まりました。<o:p></o:p>

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朝露しつとり行きたい方へ行く<o:p></o:p>

この句も前の句と同じく、雲水の日常をくっきりと焙りだしています。いいですねえ、ここでも感嘆詞が口からこぼれました。<o:p></o:p>

今朝は早朝の出発となりました。玄関先からの道が、両脇の草花が、露を孕みきらきら朝日に光ります。<o:p></o:p>