うたのすけの日常

日々の単なる日記等

うたのすけの日常 山頭火の世界 十三

2009-08-10 06:00:41 | 日記

お寺の竹の子竹になつた<o:p></o:p>

一幅の童画の趣が横溢しております。一茶の姿が彷彿としてまいります。理屈抜きで楽しめる一句です。<o:p></o:p>

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松かぜ松かげ寝ころんで<o:p></o:p>

浜の松林が目が眩むばかりに続いています。じわりと汗が滲みます。今日はもうどのくらい歩いてきたか、疲れを覚える体に林を抜けて吹く風がやさしく当たります。ここらで一休みとまいりますか、幸い松の根元に日陰が伸びていました。<o:p></o:p>

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ひとりきいてゐてきつつき<o:p></o:p>

針が落ちても聞こえるような静寂が辺りを支配しております。そろそろ夜明けですか、別に耳をすますわけでもないのですが、遠くきつつきの、ききつく音と言うのでしょうか、正確なリズムが耳に爽やかであります。<o:p></o:p>

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山ふところのはだかとなり<o:p></o:p>

母なる大地といいますが、そんな大仰な話ではありません。山路を歩き通して今日はまた心地よい汗です。道の端にどっかと腰を下ろし、山と向き合います。山はやさしく微笑みます、母のように。その母の懐に抱かれるようにもろ肌脱いで汗をぬぐう山頭火です。<o:p></o:p>

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山路はや萩を咲かせてゐる<o:p></o:p>

あっさりと萩を浮き立たせております。行乞流浪の旅を続ける山頭火にとって、四季折々の風景を彩る木々に咲く花や草花は、己に対する自然の恵みです。独り占めで少しばかり誇らしげです。<o:p></o:p>