百菜健美☆こんぶ家族ラボ

おいしい
と感じることは生きる喜びに
そして笑顔になります。
舌で味わい、
目は閉じていても
耳は心で。

じゃっぱだしの蕎麦

2012-05-31 | Weblog

世に「京の持味、浪速の食い味」と申します。

四季折々の素材を巧に取り入れた京料理に比べて「蕎麦」は、

年中材料が変わらず季節感に欠けるものでした。

「無駄なく味良く値打ち良く」という

浪速の気質と京の伝統を重んじ、

一椀の蕎麦も浪速料理、京料理の逸品として楽しんで戴ければと、

美饗庵うさぎ家では椀物の感覚を取り入れ

「じゃっぱだしの蕎麦」として、

お勧めしております。

長年の京料理修業と仕事を活かせて、

今後も季節感のある「じゃっぱだしの蕎麦」に取りくんでまいります。

「じゃっぱ」とは、雑端と書き、

じゃっぱ、又はざっぱともいいます。

雑端とは読んで字の如く捨てるもの

つまり魚の粗のことを指します。

この雑端を゛焼き干し″として他に根昆布、

干し海老、するめ、河豚のひれ、鱧、

甘鯛の骨と共にだしを取っています。

じゃっぱの焼き干しこれがいい味を出す秘訣です。

じゃっぱ汁は青森県の郷土料理です。

「じゃっぱ」とは、共通語で言う「雑把」の意味であり、

通常は魚を三枚に下ろしてのこった頭や内臓、

身の付いた骨を総称して指し示す津軽弁です。

共通語では内臓以外の部分も含めた広義の「あら」に対応します。


じゃっぱ汁は、この「じゃっぱ」をぶつ切りにして具とし、

他の野菜などを加えて煮込んだ塩や味噌仕立ての汁を差し、

主にタラや鮭のじゃっぱ汁が一般的であります。

多くは塩仕立ての味付けが多く

共通語では「あら汁」と呼んでも差し支えありません。


身(魚肉)だけよりも、

非常にこくのある出汁がえられ、

地元では人気の高い郷土料理です。

入れる具は家ごとに微妙に異なり、

鮭のじゃっぱにじゃがいもとネギを用いれば、

北海道の三平汁と同様となります。

また飲食店で出されるじゃっぱ汁は、

じゃっぱだけでなく身も入れられることが多いようです。

三昧の境地ってのがあります。 

味というものは変なもので、

その時々気持ちで、主観的に動かされ、変わっていきます。

その感じる味はそもそも当人にとっては絶対であるべきで、

状況で動かされるようでは大した食通ではないのです。

でも、中々そうはいかないのです。

財布の具合もあるし多年の経験も必要だし

味が素直に判断できるようになるには、

大変なことでもあります。

味を覚えることは、ものの深奥を極める努力によって向上するものらしい。

・・です。

味や美の道には頂上は在り得ません。

通人にとってある意味大変不便で不自由であると

言えますがその先、新発見の味感があるといえます。

ただ、世の中には、語るに足る相手が稀なために、

狭い世界にはいってしまう。

これを三昧の境地とでもいうのでしょうか。


「人、飲食せざるなし、而(しこう)して味を知るもの鮮(すくな)し」


・・・・人と生まれて食わぬ者は一人もないが、

真に味を解し、心の楽しみとする者は少ない。・・・と

そこで、

鈍感な者には腹を減らせばよかろうと奥の手で得心させる。・・・・




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