夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

俳句/ 秋

2007-09-30 17:07:10 | 創作(etude)

 ・秋刀魚焼く煙がわれを出迎える

 ・嘴の黄色き秋刀魚に涎湧き

 ・秋雨に携帯電話の別れかな

 ・洋館の屋根濡らしてる秋の雨

 ・汗乾き強き日差しも秋の暮れ

 ・コスモスを揺らして遊び風の行く

 ・秋の暮れ背中にお日様敷いている

 ・栗飯の生きてあること楽しみて

POEM/畳

2007-09-30 12:04:43 | 創作(etude)
 職場から帰宅して
 玄関を空けると
 ぷーんと
 い草の匂いがして来た
 あっ畳替えしたんだ
 
 畳表はい草である
 まだ新しいので
 色も青い
 女房と畳は新しいものに限る
 なんていうことわざがあったっけ

 でも
 畳はそれぞれの部屋で
 それぞれの家庭の
 日々の暮らしを
 知っている

 日々の家族の
 暮らしの匂いだったり
 汚れだったり
 傷だったり
 日だまりの色だったりする

 お父さんが
 酔って寝転がったり
 お母さんが
 涙をこぼしたり
 お姉ちゃんが
 足の指に
 マニキュワを塗って
 たらりとこぼしたり
 家族がすき焼きを囲んだ
 幸福の溜まり場だったりするんだ

 古い畳だからこそ
 知っている家族の
 歴史がそこにある
 その畳が替るのは
 なんだか切ない

 新しい畳が
 また新たな日々の
 証言者として
 部屋部屋に
 敷き詰められていく
 その家族の
 個性に合わせて
 なじんでいくのだろう
 家族の成長は
 畳の風格でもある
 畳は癒しの和風カウンセラーだ
 
 

バリアフリー小噺 「一郎の常識度」

2007-09-30 11:15:41 | 創作(etude)
 
 一郎 お母さん、ぼくねえ、職場の上司に注意されちゃった。

 母  何ていわれたの?

 一郎 お前は非常識だって?

 母  どうしてそんなこといったのかしら?

 一郎 常識ってどういうこと?

 母  社会人だったら覚えていないといけないことよ。

 一郎 例えばどんなことなの?

 母  そうねえ、バス停なんかで先に来た人から順に並んで待つでしょう。その順番を    無視して先に乗ろうとすれば、非常識って言われるでしょう。

 一郎 そう云えば、ことわざってあるよねえ。

 母  へえ。一郎は「ことわざ」なんか知っているの?
    どんなの知ってる?

 一郎 「親しき中にも借用書あり」

 母  それは、「親しき中にも礼儀あり」でしょ。

 一郎 じゃあ、これはどう。
    「備えあれば嬉しいな」

 母  それも違うじゃない。「備えあれば憂いなし」でしょ。

 一郎 じゃ、じゃこれは。「夏子とジーコには勝てない」

 母  「泣く子と地頭には勝てない」でしょ。
     ほかに知っていることは?

 一郎 「三人寄ればもんじゃ焼き」

 母  もう全部違うじゃない。「三人寄れば文殊の知恵」よ、それは。

 一郎 ぼくもお母さんから生まれた子だからしょうがないよね。そういうのって「トン    ビが卵産む」だよね。

 母  こりゃだめだわ・・・。「トンビが鷹を産む」よ。もう・・・。